高校卒業後にアメリカ留学する方法と出願に必要な応募書類
実践的な英語力や専門性を身につけるには、留学がおすすめです。
日本ではなく海外の大学に入学する方法から、編入学や数ヶ月程度の短期滞在型の語学留学まで、さまざまな方法が選べます。
今では留学希望者を対象としたオンライン相談会や出張相談会、留学情報センターなどさまざまなサービスが用意されています。学校で相談ができない、相談に応じられる人が周りにいない場合でも、便利なサービスを利用すれば経験者からアドバイスが受けられます。
予算や期間などを考えて自分に合うプログラムを組み立てれば、実りのある留学生活を送ることができます。ここでは、高校を卒業してからアメリカへ留学する方法について紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
高校卒業後にアメリカ留学する方法
日本の高校に通った後、アメリカの大学に留学するには大きく分けて4つの方法があります。詳しくみていきましょう。
大学進学
大学への進学としてアメリカに留学する方法です。直接出願をして試験を受ける方法のほかに、英語研修と授業を組み合わせたプログラムへの参加、条件つきの出願が可能です。 日本の大学と同じように、海外の大学も受験することができます。
出願に向けてスケジュールを確認し、必要書類を準備しましょう。ほとんどの大学が成績証明書・推薦状の提出を求めるほか、英語力に関する証明などを提出しなければなりません。
英語力を証明するために、IELTSやTOEFLもあわせて受験します。それぞれの大学が設定している基準をホームページなどで確認し、英語力をしっかりと磨いておくことが大切です。
コミカレ
「コミュニティ・カレッジ」と呼ばれる2年制の大学に進学し、そこから大学へ編入するルートです。
コミュニティ・カレッジとは公立の2年制で、日本でいう短大のような位置づけの学校です。
直接大学を受験するハードルが高い方は、4年制大学よりも入学しやすいコミュニティ・カレッジに入り、そこから編入をする方法がおすすめです。 アメリカやカナダへの留学では、コミュニティ・カレッジから大学へ編入するシステムが一般的です。
4年制大学に進学すると最初から高度な英語力が求められますが、コミュニティ・カレッジへの進学であれば、英語力に自信がなくても少しずつ力がついていきます。
語学学校
語学学校への入学は、最短で1週間程度から1年以上の年単位まで自分の好きなペースで学び続けられるメリットがあります。大学進学よりも難易度が低く、授業内容も語学に特化できる点がメリットです。
語学学校への入学後に専門学校へ編入し、大学へ編入するルートもあります。
いきなり大学への進学が難しい場合は、語学学校に通って語学力の上達を目指すと良いでしょう。
日本から海外の語学学校に学びに行くプログラムは数が多く、国も選びやすいためハードルが低いという特徴があります。
TOEICスコアを伸ばしたい、日本での就職や進学に英語力を活かしたいなどの目標にも役立ちます。
専門学校
専門学校はキャリア・カレッジとも呼ばれます。
ビジネス・IT・観光などさまざまな分野の専門学校が存在し、将来のキャリアアップや海外での就業を考えている方におすすめです。
アメリカではコミュニティ・カレッジの職業訓練コースや「Vocational School」と呼ばれる私立の専門学校があり、それぞれに進学することができます。
専門学校の就学にも英語力が求められますが、好きなことや興味のあることが学べるメリットは大きく、期間も数ヶ月から年単位まで幅広いコースが用意されています。
専門的な内容のため、自分の興味に合う学校が選べます。ダンスやメイク、映画製作や音楽など芸術系の分野のほか、プログラミングやマネジメントなどビジネスに関わる内容を学ぶ方も多くみられます。
海外留学の種類については「留学の種類と学べる内容」の記事でも詳しく紹介しております。
高校卒業後に留学するメリット
ここからは、高校卒業後に留学を行うメリットについても詳しくみていきましょう。
早い段階から英語学習ができる
留学は、生きた英語を身につけられる絶好のチャンスです。
中学・高校で学んできた英語をさらに実践的なものとして使えるため、英語力が定着し、専門的な分野にも進みやすくなります。
英語に苦手意識があっても、コミュニケーションを通して少しずつ語学に慣れていけるメリットがあります。
世界中に人脈ができる
学校で出会う人は一生の財産です。日本人とは異なる価値観や背景をもつ人々は貴重ですし、日本では会えない人との出会いが期待できるでしょう。
クラスメイトとの繋がりができれば、世界中に自分だけの人脈ができあがります。
異なる価値観を受け入れられるようになる
コミュニケーションを通して、日本人とは異なる価値観、ものの考え方やとらえ方が理解できるようになります。
驚くほどポジティブな人との出会いや、自信の持ち方を海外の友人たちから教わることもできるでしょう。
自立心が身につく
海外では早くから個人として自立している人が多く、その影響を受けて自立心が身につきます。
海外での暮らしが長くなってくると、手続きや普段の買い物などもすべて自分でできるようになり、行動力や適応力が育っていきます。
自己主張が出来るようになる
日本はあまり積極的に自己主張をしない文化圏ですが、海外ではまったく正反対のケースも少なくありません。
英語圏への留学では自分の意見を発言しなければならないシチュエーションが多く、はじめは戸惑うものですが、徐々に自己主張ができるようになっていきます。
将来の選択肢が広がる
英語力が身につき、多国籍の知人や友人と繋がることで、国際人としての感覚が実感できるようになります。
同時に、海外での暮らし・就職・生き方が理解できるようになり、将来の選択肢に幅が出てきて、日本に限らない進路がとれるようになるでしょう。
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高校卒業後に留学するデメリット
高校卒業後に留学をすると、どのようなデメリットが考えられるのでしょうか。
費用
日本に比べて、海外への留学は学費が高くなりやすいデメリットが考えられます。
ただし留学期間や私大か専門かなどの学校の違いによって費用には差が出るほか、語学力や専門性を身につけることで就職活動の幅が広がるため、費用をかけた分だけ将来的なリターンが期待できます。
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卒業の難易度が日本より高い
アメリカをはじめとする海外の大学は、入学よりも卒業のほうが厳しいといわれています。
単位を取得するだけではなく、一つひとつのクラスに真面目に通い、積極的に参加もしていかなくてはなりません。 卒業に必要な要件が多いため、人によっては何年もかかってやっと卒業するケースもみられます。
しかし、留学をしているあいだはしっかり勉強しなければなりませんし、留学の目的や設定したゴールを忘れずに努力すれば必ず卒業できます。まわりの人に支えられて卒業を目指せる人も少なくないため、最後まで諦めない姿勢が大切です。
高校卒業後に留学するために必要なこと
ここからは、高校卒業後海外に留学する際に求められる必要書類や要件を詳しくみていきましょう。
TOEFL/IELTSのスコア
TOEFLは「外国語としての英語の判定テスト」の略で、英語を母語としない人が留学する際に必要となるテストです。TOEICよりもさらにハイレベルの英語力が試され、4技能(読む・聞く・書く・話す)すべてのセクションをテストします。
IELTS(アイエルツ)は海外移住申請に使われることが多いテストで、面接官との対面式でのコミュニケーションや筆記テストが特徴です。TOEFLの代わりにIELTSのスコアを提出するように求める教育機関も増えています。
TOEFLや IELTSについては、「TOEFLとIELTSの違いは?難易度や試験内容について」の記事をご覧ください。
成績
成績証明書は、アメリカなどの大学に出願する際に必須となる書類です。過去の履修科目・単位・成績をそれぞれ記載し、学校印や代表者の署名が必要になります。
成績証明書は英文で書かなければなりませんが、学校によっては不慣れなケースがあるため、英文にできないと断られた場合は日本語で記載したものを翻訳会社などに作成してもらいましょう。
推薦状
留学の際に必要となる推薦状は、第三者から見た自分自身の客観的な判断とアピールポイントを記載し、大学側に伝えるためのものです。
具体的には、TE(Teacher Evaluation)やSR(School Report))と呼ばれる書類が必要になります。どちらも教員からみた生徒の人物評価、推薦文が盛り込まれ、SRには生徒が在籍していたコースの内容や成績、学校紹介などが含まれます。
Personal Statement
Personal Statementは、エッセイのように自分自身をアピールする書類ですが、勉強したいことや大学・大学院などでの研究内容を具体的に記載するための志望動機書です。
「最大○文字、○行まで」と詳細に指定されているものが多く、文字数が厳しく制限されているため、端的に志望動機をアピールしなくてはなりません。
成績証明書だけでは伝えきれない自身の個性、情熱、興味関心の度合いなどをしっかりとアピールし、学部・学科にふさわしい生徒であることを伝えましょう。
エッセイ
エッセイは出願に欠かせない書類で、自分自身をプレゼンテーションするためのものです。自分の言葉で魅力を伝えなくてはならないため、自己分析にもしっかりと時間をかけて準備しなければなりません。
渡航先の国によってエッセイをどの程度重視するかが異なります。
アメリカの4年制大学では、エッセイの中に心を動かすような文章や表現を盛り込む工夫が必要であり、加えて自分の人物像をイメージできるような内容が望ましいとされています。
財政能力証明書
財政能力証明書とは、学費といった留学費用を負担する方の貯金残高証明書のことで、留学するのに十分な資金があることを学校側へ証明するための書類です。銀行などで英文にて発行する必要があります。
一般的に約250~300万以上あれば問題ないとされています。
高校卒業後に留学するならいつから準備が必要?
高校卒業後すぐに留学を行う場合、最低でも半年〜1年前には準備をしておきましょう。
クラスがスタートする半年以上前に募集を締め切ってしまう学校もあるため、どの学校に行きたいかを早めに絞り込んでおく必要があります。
学校の絞り込みと同時に、入学に求められる要件をチェックしましょう。
語学力や成績について、基準を満たしていることを確認してからTOEFLやTOEICを受験します。
入学に必要な推薦状、エッセイの準備も早くに始めましょう。
語学学校の場合、英語力がなくても受け入れを行ってもらえますが、不安な場合は担当者にメールなどで連絡をして、サポートを受けておくと安心です。
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いつから留学の準備を進めるべき?準備期間と当日までの流れ
憧れの留学へチャレンジ
この記事では、出願の際に必要な書類や留学のメリットをお伝えしました。海外の大学や学校への進学では、日本にはない価値観や文化、語学力や専門性がダイレクトに学べます。
アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部について
アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部(以下、サンダーバード)は、1946年創立以来、75年以上の歴史を持つ、グローバルビジネスおよびグローバルマネジメントに特化した、高等教育機関です。
キャンパスには世界中から生徒が集まっており、その様子は「小さな国連」と呼ばれるほど。ダイバーシティな環境下で学ぶことにより、グローバルな視点や多文化への理解、協調性、そして将来のグローバルリーダーとしての力を養えます。
サンダーバードの卒業生たち
サンダーバードのアラムナイ(卒業生)は、世界約145ヶ国45,000人以上の卒業生からなり、その結びつきは他のビジネススクールでは見られない、非常に強固なものとして、世界的にも有名です。
アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部広島大学グローバル校の紹介
サンダーバードが提供している「グローバルマネジメント学」「国際貿易学」の学士号を、日本でも学べる新プログラムがスタートしました。
日本国内にいながら、世界トップレベルのマネジメントスクールの授業を受け、アメリカの正規の大学の学士号を取得できます。
アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部広島大学グローバル校は「外国大学の日本校」です
広島大学と75年以上の歴史をもつアリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営大学院が連携した学士号プログラムです。
本プログラムは文部科学省により「外国大学の日本校」として指定を受けております。
「外国大学の日本校」については、文部科学省のホームページをご覧ください。
外国大学等の日本校の指定:文部科学省
プログラムについて
取得できる学士号はアリゾナ州立大学の「グローバルマネジメント学」と「国際貿易学」の2種類です。
「グローバルマネジメント学」では、グローバルな環境で活躍するためのマネジメント力を学べるプログラムとなっています。
「国際貿易学」ではグローバルにビジネスを行うための政治的・文化的・経済的側面への理解を深めながら、国際貿易分野で活躍するために必要なスキルを学びます。
本プログラムでは、1・2年次を広島大学のキャンパスで、3・4年次をアリゾナ州で学びます。 広島を含め、4年間全ての授業が英語で行われますので、国内にいながらでもグローバルな環境で世界有数の大学によるグローバルマネジメントを学ぶことが可能です。
また、「国際貿易学」の学位取得後はアメリカでのOPT(Optional Practical Training)を取得し、卒業後アメリカで3年間の就労資格を得られます。
サンダーバードの国際貿易学はQS 国際貿易学ランキングにて「世界第1位」を獲得
サンダーバードの国際貿易学は、QSワールド大学ランキングの国際貿易学専攻で世界第1位を獲得しました。
QSワールド大学ランキングでは、修士課程(大学院)を専攻別に分け、以下の各項目について評価・選定したランキングを毎年発表しています。
- プログラムの内容
- 革新的な教育方法
- 学生が就職できるように大学がどのように準備しているか
サンダーバードは上記の各項目で、最高評価を獲得しています。
卒業後の進路について
サンダーバードの卒業生は、国際機関、グローバル企業をはじめ、各国政府やNPO団体など多種多様な分野において、世界を舞台に活躍。
在学中の進路支援にも力を入れており、世界中の卒業生ネットワークを活用した進路支援を行っています。
また、本学の修士課程であるMGM(Master of Global Management)プログラムへ進学する学生も多くいます。 ※MGMとは、通常のMBAではなく、全てのクラスがグローバルな視点で構成され、 “第4次産業革命の時代に必要とされ、本当の意味でグローバルに活躍できる真のリーダーを育てる”ことを目的とした修士号です。
将来の選択肢を広げるためにも、日米両キャンパスでグローバルな視点で構成されたプログラムを学べるユニークな形の留学に挑戦してみるのはいかがでしょうか。
サンダーバードでは、日本オフィスにて日本人スタッフが個別に留学サポートの相談を受付ています。将来グローバルに活躍したいなど、海外にご興味のある学生の方は、ぜひご相談ください!
【外国大学の日本校認定】アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部 広島大学グローバル校の詳細はこちら
コラム監修者
<略歴>
信州大学グリーン社会協創機構特任教授。アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営大学院MBA。ハーバード大学大学院サステナビリティ専攻修士。東京大学教養学部国際関係論専攻卒。東証プライム上場企業、機関投資家、スタートアップ企業、ベンチャーキャピタルの社外取締役やアドバイザリーを多数務める。環境省、農林水産省、厚生労働省のESG分野の委員会委員を複数兼任。Jリーグ特任理事、ウォーターエイドジャパン理事、MASHSING UP理事。留学経験を活かしたグローバル視点での戦略立案を得意とする。国内外のテレビ、ラジオ、新聞、雑誌で解説を担当。
<主な著書>
『ネイチャー資本主義』(PHP新書)
『超入門カーボンニュートラル』(講談社+α新書)
『データでわかる 2030年 地球のすがた』(日経プレミアシリーズ)
『ESG思考』(講談社+α新書)