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公開日:2022.05.29 / 最終更新日:2023.03.17

TOEFLとIELTSの違いは?難易度や試験内容について

「海外の大学に留学して海外で活躍したい!」 「英語の能力を測る試験の対策方法は?」 英語圏の学校に留学を考えるときに、英語の能力を証明する試験を受験しなければなりません。

能力を測る試験として使われているのはTOEFLとIELTSの2つです。 どちらか一つの試験を選択し、試験に合った対策が必要ですが、初めての方はそもそもどちらを受験すべきか迷うはずです。

そのため本記事では、TOEFLとIELTSの違いや難易度、試験範囲を解説します。 とくに今後受験される方や留学を検討されている方には、必見の記事です。

外国大学の日本校

IELTSとは

IELTSとは「International English Language Testing System」の略称です。 イギリス発祥の試験で、主にイギリスに留学を考えている方が受験する試験です。

アメリカやカナダの一部の学校では、英語の能力証明としてIELTSは使えません。希望する学校の入学要項に注意しましょう。

IELTSには「ジェネラルモジュール」と「アカデミックモジュール」と呼ばれる試験があり、留学に使うときはアカデミックモジュールを選択しなければなりません。
IELTS公式サイト

TOEFLとは

TOEFLとは「Test of English as a Foreign Language」の略称です。主にアメリカなど北米を中心にオーストラリアやニュージーランドでも採用されている試験です。

現行の試験では、iBT(Internet Based Testing)と呼ばれるインターネットを活用した試験を導入しています。 過去にはCBT(Computer Baset Testing)を活用していましたが、廃止されTOEFLの試験は過去よりも格段に難しくなっています。
大学からの交換留学で使われるITPは、iBTと似ているようで違うため混同しないようにしましょう。 TOEFL ITPとは大学や企業内で団体受験用の試験で使われるものです。

個人で留学するときには英語の能力証明として使用できないため注意しましょう。
TOEFL公式サイト

それぞれの違い


TOEFLとIELTSの違いを以下の観点から確認します。

  • 試験の目的
  • 試験内容
  • 所要時間
  • 難易度
  • 申し込み方法
  • 費用
  • スコアの取りやすさ

それぞれ詳しく見ていきましょう。

試験の目的

TOEFLとIELTSでは試験の目的は違い、以下のように分けられます。

試験名

IELTS

TOEFL

目的

イギリス型の大学教育を反映した試験

アメリカの大学教育を反映した試験

試験で求められる英語力

一つひとつの正確な知識や理解

大まかに全体の大枠をとらえる


IELTSでは、イギリスの大学教育を反映した試験のため、問題の内容を詳細に理解しなければなりません。グラフやデータなど研究者のような分析力を有しているかどうかが採点に影響を与えます。

反対にTOEFLでは、アメリカ型の大学教育を反映しているため、問題の全体像を理解しなければなりません。会話の流れや文章の主題の理解が試験で主に問われます。

試験内容

TOEFLとIELTSでは試験の内容は大きく違います。
2つの試験内容の違いを以下の表にまとめました。

試験名

IELTS

TOEFL

リーディング

文章は一般大衆向けで読みやすいが、文字量は多め

学術的な内容が多く、難しい文章もある

リスニング

音声を聞きながら単語の意味など穴埋め問題を解く

長いリスニングの大まかな理解が必要

スピーキング

面接官と1対1で会話をする

コンピュータに向かって会話をする

ライティング

グラフやデータの分析が必要

リーディングやリスニングの総合力が問われる


それぞれ詳しく見ていきましょう。

リーディング

IELTSのリーディングはTOEFLに比べて読みやすい文章を大量に読む必要があります。

試験では合計3つの長文で、文章は書籍、専門誌、雑誌、新聞などから引用もしくは抜粋されて出題されます。
抜粋される文章は、学術的な内容を一般の読者向けに書かれたものです。 出題される問題数は40問で、各長文で最低でも10問以上が出題されます。
内容は大学進学もしくは就職を希望する人に適しており、グラフや専門家からの見解など客観的な判断が多く含まれているのが特徴です。

TOEFLは自然科学、社会科学、芸術など幅広い分野の教養科目のような学術的な内容を中心に出題します。 出題される問題数は30〜40問で、長文は3~4文出題されます。
大学の一般教養で使われる教科書並みのため、文章の内容が難しく単語を覚えなければなりません。

リスニング

IELTSのリスニングでは、全部で40問出題されます。 試験は4パートに分けられており、会話文や日常生活のモノローグ、大学など複数人での会話などが使われます。
内容を聞きながら問題を解くため、点数が比較的取りやすいセクションです。 注意点は内容がイギリス英語のため、普段とは聞き慣れない音があります。

TOEFLでは28〜39問の問題が出題されます。 講義と会話の2種類で構成されており、3分以上のリスニングのため集中力が必要です。
学生と教授の会話や授業内容の講義などが出題されます。 TOEFLはアメリカ英語のため、中学や高校と慣れ親しんだ発音が多く聞き取りやすいです。

スピーキング

IELTSのスピーキングは試験官との1対1のインタビュー形式で、3つのパートからなっています。 試験官と録音された内容を聞いた他の試験官によって採点が行われます。
評価基準は、流暢さや一貫性、語彙力、文法力、発音です。 相手と対面で話すため、話しやすく得点が伸びやすいセクションです。

一方でTOEFLはマイクを通して解答します。 問題はIndependent task 1問とIntegrated tasks3問で、 リスニングやリーディングなど総合力が問われます。
人対人ではなく、マイクに向かって一方的に話さなければならない点に戸惑いを感じる人もいます。

ライティング

IELTSでは60分の間に2つの問題を解かなければなりません。 データの分析や比較などを検討し、論理立てて説明が求められます。
答えのない問いにどれだけ筋道を立てて自分の意見を証明するかが重要です。

一方でTOEFLでは50分の間に2問出題されます。 解答はタイピングででき、評価として単語量も重要になり、300words以上の執筆も必要です。
またキーボードがアメリカ方式のため、キーボードの文字の配置が日本語のものと若干異なります。 IELTSとTOEFL双方ともに、内容への一貫性や語彙力、文法力が問われます。

所要時間

IELTSとTOEFLの各セッションの試験時間は以下の通りです。

試験名

IELTS

TOEFL

リーディング

60分

54~72分

リスニング

30分

41~57分

スピーキング

11~14分

17分

ライティング

60分

50分


参照:日本英語検定協会ETS

双方ともに合計時間に大きな差はなく、TOEFLの方が若干長い程度です。

難易度

IELTSとTOEFL試験の難易度に差はありません。
TOEFLとIELTSの試験形式に違いはありますが、試験で使われる単語の多くは似ており、難しい単語は少ししか出ません。

リスニングに関しても話すスピードに大きな差はなく、難易度に差はないです。

申し込み方法

IELTSとTOEFLの申し込み方法の手順を解説します。 それぞれのやり方が違うので注意しましょう。

IELTS

IELTSの申込み方法の流れは以下の通りです。

  1. IELTS IDの作成
  2. 受験者情報と支払い方法を選択
  3. 申込内容確認(間違っている場合はすぐに運営に連絡が必要です。)
  4. 試験に必要なパスポートを準備する
  5. 受験確認書のダウンロード

パスポートをIELTSの試験のために準備しましょう。
パスポートを申込後に変更した場合は、筆記テストの5日前の12:00(正午)までにパスポートの変更申請を行わなければなりません。

TOEFL

TOEFLの申込み方法の流れは以下の通りです。

  1. 1.ETSアカウントページ「My TOEFL Home」を作成
  2. 2.受験会場の指定
  3. 3.受験会場・時間を再確認、印刷
  4. 4.試験に必要なパスポートを準備する

試験の予定日や会場の変更には60USDかかるため注意が必要です。
他にも試験のキャンセルの払い戻しでは、受験料の半分しか返還されません。

費用

IELTSとTOEFLの費用は以下の通りです。

試験名

IELTS

TOEFL

試験料

25,380円

245USD(34,300円、1USD=140円の場合)

 

スコアの取りやすさ

IELTSのほうが点数が取りやすいとされています。 理由は以下の3つです。

  • ・スコアの付け方
  • ・試験環境
  • ・単語の難易度

IELTSの採点方式は、オーバーオール方式で小数点が繰り上げられるため、総合点数が高く算出されます。 またIELTSの試験は一斉に開始されるため、TOEFLのようにリスニングのときに隣の人がスピーキングのようにはなりません。

TOEFLの方が専門用語や日常では使われない単語が使用されます。分量が多くなくても単語が難解なため、時間がかかるのが特徴です。

どちらを受験すべきかは希望する留学先によって異なる


TOEFLとIELTSにはそれぞれ違いがあり、希望する留学先によって受験する試験を選びましょう。
一部では、TOEFLもしくはIELTSのみ受け付けている大学があるからです。
自分が受験したい大学がTOEFLもしくはIELTSのどちらに対応しているのか必ず確認しましょう。
確認するときは、大学のウェブサイトだけでなく、担当者に連絡して確認するほうが確実です。

当サイトを運営する、アリゾナ州立大学サンダーバード経営学部広島大学グローバル校では出願時、TOEFL/IELTSのスコアが必要となります。詳しくは以下のページをご覧ください。
募集要項について

アリゾナ州立大学サンダーバードでは、入学条件に必要な英語基準を満たすために、8週間のオンライン英語プログラムをご用意しております。
こちらのプログラムを80%の成績で修了された方は、TOEFL/IELTSなどの英語スコアの提出が免除されます。
詳しくは、東京オフィスまでお問い合わせください。

外国大学の日本校

IELTSとTOEFLの特徴を理解し自分に合ったものを受けよう

IELTSとTOEFLの試験項目やそれぞれの違いを解説しました。 それぞれの特徴を理解し、自分に合ったテストを選び受験することが大切です。

英語力が測られるという点では共通していますが、それぞれのテストの出題形式が若干異なるため、それぞれに合った対策が求められます。

自身が留学・進学を希望している大学に必ず確認を取り、受け付けているテストが把握できたら余裕をもって準備を進めましょう。

アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部について

アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部(以下、サンダーバード)は、1946年創立以来、75年以上の歴史を持つ、グローバルビジネスおよびグローバルマネジメントに特化した、高等教育機関です。

キャンパスには世界中から生徒が集まっており、その様子は「小さな国連」と呼ばれるほど。ダイバーシティな環境下で学ぶことにより、グローバルな視点や多文化への理解、協調性、そして将来のグローバルリーダーとしての力を養えます。

サンダーバードの卒業生たち

サンダーバードのアラムナイ(卒業生)は、世界約145ヶ国45,000人以上の卒業生からなり、その結びつきは他のビジネススクールでは見られない、非常に強固なものとして、世界的にも有名です。

アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部広島大学グローバル校の紹介

サンダーバードが提供している「グローバルマネジメント学」「国際貿易学」の学士号を、日本でも学べる新プログラムがスタートしました。

日本国内にいながら、世界トップレベルのマネジメントスクールの授業を受け、アメリカの正規の大学の学士号を取得できます。

プログラム詳細はこちら

アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部広島大学グローバル校は「外国大学の日本校」です

広島大学と75年以上の歴史をもつアリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営大学院が連携した学士号プログラムです。

本プログラムは文部科学省により「外国大学の日本校」として指定を受けております。
「外国大学の日本校」については、文部科学省のホームページをご覧ください。
外国大学等の日本校の指定:文部科学省

プログラムについて

取得できる学士号はアリゾナ州立大学の「グローバルマネジメント学」と「国際貿易学」の2種類です。

「グローバルマネジメント学」では、グローバルな環境で活躍するためのマネジメント力を学べるプログラムとなっています。

「国際貿易学」ではグローバルにビジネスを行うための政治的・文化的・経済的側面への理解を深めながら、国際貿易分野で活躍するために必要なスキルを学びます。

本プログラムでは、1・2年次を広島大学のキャンパスで、3・4年次をアリゾナ州で学びます。 広島を含め、4年間全ての授業が英語で行われますので、国内にいながらでもグローバルな環境で世界有数の大学によるグローバルマネジメントを学ぶことが可能です。

また、「国際貿易学」の学位取得後はアメリカでのOPT(Optional Practical Training)を取得し、卒業後アメリカで3年間の就労資格を得られます。

サンダーバードの国際貿易学はQS 国際貿易学ランキングにて「世界第1位」を獲得

サンダーバードの国際貿易学は、QSワールド大学ランキングの国際貿易学専攻で世界第1位を獲得しました。
QSワールド大学ランキングでは、修士課程(大学院)を専攻別に分け、以下の各項目について評価・選定したランキングを毎年発表しています。

  • プログラムの内容
  • 革新的な教育方法
  • 学生が就職できるように大学がどのように準備しているか

サンダーバードは上記の各項目で、最高評価を獲得しています。

詳しくはこちら

卒業後の進路について

サンダーバードの卒業生は、国際機関、グローバル企業をはじめ、各国政府やNPO団体など多種多様な分野において、世界を舞台に活躍。
在学中の進路支援にも力を入れており、世界中の卒業生ネットワークを活用した進路支援を行っています。

また、本学の修士課程であるMGM(Master of Global Management)プログラムへ進学する学生も多くいます。 ※MGMとは、通常のMBAではなく、全てのクラスがグローバルな視点で構成され、 “第4次産業革命の時代に必要とされ、本当の意味でグローバルに活躍できる真のリーダーを育てる”ことを目的とした修士号です。

将来の選択肢を広げるためにも、日米両キャンパスでグローバルな視点で構成されたプログラムを学べるユニークな形の留学に挑戦してみるのはいかがでしょうか。

サンダーバードでは、日本オフィスにて日本人スタッフが個別に留学サポートの相談を受付ています。将来グローバルに活躍したいなど、海外にご興味のある学生の方は、ぜひご相談ください!

【外国大学の日本校認定】アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部 広島大学グローバル校の詳細はこちら

 

コラム監修者

監修者の写真

夫馬 賢治Kenji Fuma

株式会社ニューラル

代表取締役CEO

<略歴>

信州大学グリーン社会協創機構特任教授。アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営大学院MBA。ハーバード大学大学院サステナビリティ専攻修士。東京大学教養学部国際関係論専攻卒。東証プライム上場企業、機関投資家、スタートアップ企業、ベンチャーキャピタルの社外取締役やアドバイザリーを多数務める。環境省、農林水産省、厚生労働省のESG分野の委員会委員を複数兼任。Jリーグ特任理事、ウォーターエイドジャパン理事、MASHSING UP理事。留学経験を活かしたグローバル視点での戦略立案を得意とする。国内外のテレビ、ラジオ、新聞、雑誌で解説を担当。

<主な著書>

ネイチャー資本主義』(PHP新書)

超入門カーボンニュートラル』(講談社+α新書)

データでわかる 2030年 地球のすがた』(日経プレミアシリーズ)

ESG思考』(講談社+α新書)

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