グローバルな仕事とは?11の選択肢と求められる能力
グローバルに活躍したいものの、どのような選択肢があるかわからないと感じていませんか。具体的にイメージできないと、何を頑張れば夢を実現できるかわからないでしょう。グローバルに活躍したい方は、最初に選択肢を把握しておく必要があります。選択肢がわかれば、努力の方向性もわかるからです。
この記事では、グローバルな仕事の概要を解説するとともにその種類とグローバルな仕事で求められる能力を紹介しています。以下の情報を参考にすれば、選択肢を理解したうえで自分に合っている進路を把握できるはずです。グローバルに活躍したいものの、何をすればよいかわからない方は参考にしてください。
目次
グローバルな仕事とは
「global」は、「世界的な規模の」などを意味する英単語です。
「グローバルな仕事」に明確な定義はありませんが、基本的には国内にとどまらず海外ともやり取りをする仕事を指すと考えればよいでしょう。したがって、外資系企業であっても国内のみで業務を行っている場合はグローバルな仕事といえない可能性があります。
反対に、国内企業であっても、海外支社などで現地の人と一緒に仕事をしている場合はグローバルな仕事といえます。
以上を踏まえると、グローバルな仕事は、さまざまな国籍・人種の方たちと、同じ言語を用いて行う仕事ということもできます。
グローバルな仕事の種類
グローバルな仕事には、さまざまな種類があります。
代表的な仕事と、それぞれの特徴などは次の通りです。
外資系企業の社員
外国資本が一定比率以上の企業を外資系企業といいます(一定比率に明確な決まりはありません)。
資本の比率をもとに分類しているため、仕事内容はケースで異なります。いずれにせよ、英語を社内公用語としている企業が少なくありません。外国人スタッフの割合も高いといえるでしょう。
外資系企業の特徴は、個人のパフォーマンスを重視することです。結果が年収に反映されやすい傾向があります。したがって、自分の能力で勝負したい方や実力で評価されたい方に向いています。
外資系企業の社員になるには、求められる英語力を身に付け、採用試験に通過しなければなりません。新卒採用・第二新卒採用・中途採用が行われています。
グローバルな日系企業の社員
日系企業のなかでもグローバルに展開している企業が多く存在します。
国内にあるグローバルチームに所属することやグローバルプラン・戦略を持つ企業で働くことでグローバルに活躍することが可能です。
グローバルな日系企業で働くには、主に国内で就職活動を行い就職をしなくてはなりません。
起業
起業して海外へ進出することも可能です。事業内容あるいは業務内容は、ケースにより大きく異なります。
例えば、自社でプロダクトを開発し海外で展開するなどが考えられます。いずれにせよ、アントレナーシップを求められます。
アントレナーシップは、新規事業を生み出しリスクを取って挑戦する姿勢です。日本語で、起業家精神などと訳されます。最近では、アントレナーシップを教える学校が増えています。もちろん、忍耐力や行動力も必要です。
海外で起業する手続きは国や地域により異なります。
基本的には、外国人でも起業できる、ビザを取得できるなどを満たさなければなりません。
海外駐在
国内の企業に就職して、海外駐在員として活躍することもできます。海外駐在員は、海外転勤で外国の支社などに勤務しているスタッフです。
業務内容はさまざまですが、海外で自社プロダクトを販売する、海外工場で工場長として働くなどが考えられます。何かしらの形で外国人と接するため、一定の語学力が求められます。
また、自社のプロダクトややり方を受け入れてもらう交渉力や調整力なども必要になります。
海外駐在員になるには、海外支社などがある企業に就職なければなりません。具体的な手続きは、就職先で異なります。
外交官
日本の外交を担う公務員です。在外公館(大使館など)で、日本あるいは日本人の利益を追求する業務を行います。
具体的な業務として、外国政府との交渉、外国にいる日本人の保護、外国の情報収集、外国で活動する日本企業の支援などがあげられます。日本の顔として外国で活動するため、高度な語学力・教養・交渉力などが求められます。もちろん、日本と異なる環境に適応する柔軟性も欠かせません。
就業するには、人事院が実施する国家公務員採用総合職試験、外務省が実施する外務省専門職員採用試験などに合格する必要があります(国家公務員採用総合職試験は合格後に官庁訪問が必要)。
通訳・翻訳家
通訳は主に日本語を外国語に、外国語を日本語に訳して相手に伝える仕事、翻訳は日本語・外国語でつくられた文芸作品・ビジネス文書・映像などを外国語・日本語に訳す仕事です。
高度な語学力をベースに、話者あるいは作品などの背景を理解してニュアンスまで伝えることが求められます。したがって、語学以外の専門性も必要になるケースが少なくありません。語学力だけでなく、専門分野の知識も身に付けられる方に向いているといえるでしょう。
通訳・翻訳家とも、公的な資格は必要ありません。ただし、実際に活躍している方の多くは、外国語大学などを卒業してから通訳・翻訳の専門学校などでさらに語学力を磨いています。海外留学で、文化・風習などを学ぶことも強みになる可能性があります。
日本語教師
ここでいう語学教師は、外国人を対象に日本語を教える仕事です。国内あるいは海外の日本語学校で、日本語の文法・発音・読み書きなどを教えます。単に、日本語を教えるだけでなく、日本の歴史や日本の文化も教える点がポイントです。
外国人に日本語・日本文化などを教えるため、これらに関する高度な知識とわかりやすく説明する力が求められます。また、生徒をマネジメントする能力も欠かせません。
語学教師になりたい場合、基本的には日本語学校に勤務することになります。必須の資格はありませんが「大学で日本語教育を専攻・副専攻」「日本語教育能力検定合格」などの条件が設定されていることが一般的です。
パイロット・CA(キャビンアテンダント)
パイロットは定期航空便などを操縦する仕事、CAは旅客機で機内サービスと保安管理を提供する仕事です。
パイロットは航空機の操縦に関する高度な知識のほか、健康な体を維持する自己管理力、状況を冷静に分析して最善の行動を選択する判断力などが、CAは不安定な機内の中で長時間にわたりサービスを提供する体力、お客様に快適に過ごしていただく接遇力、トラブルに動じない対応力などが求められます。
パイロットになるには、事業用操縦士・定期運送用操縦士などの国家資格が必要です。
CAは特別な資格を必要としません。航空会社へ就職するか、専門の人材派遣会社へ登録することでCAとして働けます(研修などは必要です)。
医師・看護師
医師・看護師とも、外国の医療機関などで働くことができます。例えば、海外の医療機関に勤務することや海外で開業すること、NGOスタッフとして活動することなどが考えられます。
基本的な業務内容は日本と同じですが、国や地域により環境はさまざまです。また、文化・習慣も異なります。したがって、専門的な知識・技能に加え、高い適応力やコミュニケーション能力なども求められます。
海外で医師・看護師として働く場合、その国・地域の医師免許・看護師免許などを取得しなければなりません。必要になる免許、免許の取得方法などは国や地域で異なります。
ホテルスタッフ
ホテルスタッフもグローバルな仕事のひとつといえるでしょう。主なお客様が外国人であれば、国内のホテルであってもグローバルな仕事と考えられます。
具体的な業務は、配属される部門により異なります。例えば、宿泊部門の主な業務は、フロント業務・コンシェルジュ業務です。さまざまな国や地域からやってきたお客様をおもてなししなければならないため、高度な語学力と接客力を求められます。もちろん、夜勤や立ち仕事を乗り越える体力なども必要です。
ホテルスタッフは、特別な資格がなくても就業できます。ただし、TOEICなどの語学検定を重視する傾向があります。外資系ホテルは、この傾向が特に強いといえるでしょう。
青年海外協力隊
開発途上国が必要とする知識・技術・経験を有する人材を、政府予算で派遣する事業です。
活動内容は、190種類以上の職種から選択できます。例えば、計画・行政、農林水産、人的資源、保健・医療、社会福祉、商業・観光などがあります。活動できる国はアジア・東欧・アフリカなど91カ国、派遣される期間は原則1~2年(短期1カ月~1年未満もあり)です。
発展途上国に派遣されるため、日本とは異なる環境に適応できる能力、異なる文化・風習を尊重できる能力などが求められます。また、日常会話程度の語学力も必要です。ちなみに、往復渡航費などは支給されるものの報酬はありません。
日本国籍がある20~69歳までの方が、JICAの選考に通過して技術補完研修、派遣前訓練を受けることで青年海外協力隊員になれます。
JETRO職員
独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)の職員です。国内外のネットワークを活用して、日本への投資促進、中小企業・中堅企業の海外展開支援、日本企業のイノベーション創出を目的とする事業などを行ないます。
代表的な事業として、世界60カ国以上のECバイヤーに日本の商品を紹介するEC販売プロジェクト「JAPAN MALL」があげられます。いずれにせよ、日本経済と海外経済の接点になるため、グローバル経済に対する理解は必須といえるでしょう。
JETROは新卒採用と社会人採用などを行っています。新卒採用は、全学部が対象です。社会人採用は、一定の語学力、経験を求められます(具体的な採用条件はケースで異なります)。
グローバルな仕事をするために
ここからは、グローバルな仕事をするため求められる能力を解説します。
語学力
グローバルな仕事に不可欠なのが語学力です。
求められるレベルは仕事で異なりますが、外国人と意思疎通をスムーズに行うため高いに越したことはありません。
語学力を証明する方法のひとつが語学検定です。語学力を客観的に証明できるため、就職活動・転職活動を有利に進められる可能性があります。採用条件として、一定の語学力を設定しているところもあります。
コミュニケーション能力
グローバルな仕事では、コミュニケーション能力も求められます。文化が異なるため、自ら積極的にコミュニケーションを図らなければならないからです。いわずともわかると考えていると、特に意見がないと捉えられることがあります。
グローバルな仕事では、語学力の程度を問わず主体的にコミュニケーションを図る姿勢が求められます。
柔軟性(異なる文化圏の人達と仕事をするため)
柔軟性も欠かせない能力といえるでしょう。異なる文化圏の方たちと一緒に働くため、相手の文化や習慣を理解して受け入れる必要があるからです。
自分のやり方や日本のやり方にこだわりすぎると、良好な関係を築けない恐れがあります。
その他にも、職種によってはMBAなどの資格を取得していることで、有利になることもあるでしょう。
MBAについては「MBAとは?海外でMBAを取得する際のメリットやデメリット」の記事をご覧ください。
グローバルな仕事には留学が近道
グローバルな仕事について解説しました。留学経験があると、語学力が高いことはもちろん、異なる環境にも慣れているため、グローバルに活躍できる人材と評価される傾向があります。グローバルな仕事に就きたい方は、留学を検討してみてはいかがでしょうか。
アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部について
アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部(以下、サンダーバード)は、1946年創立以来、75年以上の歴史を持つ、グローバルビジネスおよびグローバルマネジメントに特化した、高等教育機関です。
キャンパスには世界中から生徒が集まっており、その様子は「小さな国連」と呼ばれるほど。ダイバーシティな環境下で学ぶことにより、グローバルな視点や多文化への理解、協調性、そして将来のグローバルリーダーとしての力を養えます。
サンダーバードの卒業生たち
サンダーバードのアラムナイ(卒業生)は、世界約145ヶ国45,000人以上の卒業生からなり、その結びつきは他のビジネススクールでは見られない、非常に強固なものとして、世界的にも有名です。
アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部広島大学グローバル校の紹介
サンダーバードが提供している「グローバルマネジメント学」「国際貿易学」の学士号を、日本でも学べる新プログラムがスタートしました。
日本国内にいながら、世界トップレベルのマネジメントスクールの授業を受け、アメリカの正規の大学の学士号を取得できます。
アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部広島大学グローバル校は「外国大学の日本校」です
広島大学と75年以上の歴史をもつアリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営大学院が連携した学士号プログラムです。
本プログラムは文部科学省により「外国大学の日本校」として指定を受けております。
「外国大学の日本校」については、文部科学省のホームページをご覧ください。
外国大学等の日本校の指定:文部科学省
プログラムについて
取得できる学士号はアリゾナ州立大学の「グローバルマネジメント学」と「国際貿易学」の2種類です。
「グローバルマネジメント学」では、グローバルな環境で活躍するためのマネジメント力を学べるプログラムとなっています。
「国際貿易学」ではグローバルにビジネスを行うための政治的・文化的・経済的側面への理解を深めながら、国際貿易分野で活躍するために必要なスキルを学びます。
本プログラムでは、1・2年次を広島大学のキャンパスで、3・4年次をアリゾナ州で学びます。 広島を含め、4年間全ての授業が英語で行われますので、国内にいながらでもグローバルな環境で世界有数の大学によるグローバルマネジメントを学ぶことが可能です。
また、「国際貿易学」の学位取得後はアメリカでのOPT(Optional Practical Training)を取得し、卒業後アメリカで3年間の就労資格を得られます。
サンダーバードの国際貿易学はQS 国際貿易学ランキングにて「世界第1位」を獲得
サンダーバードの国際貿易学は、QSワールド大学ランキングの国際貿易学専攻で世界第1位を獲得しました。
QSワールド大学ランキングでは、修士課程(大学院)を専攻別に分け、以下の各項目について評価・選定したランキングを毎年発表しています。
- プログラムの内容
- 革新的な教育方法
- 学生が就職できるように大学がどのように準備しているか
サンダーバードは上記の各項目で、最高評価を獲得しています。
卒業後の進路について
サンダーバードの卒業生は、国際機関、グローバル企業をはじめ、各国政府やNPO団体など多種多様な分野において、世界を舞台に活躍。
在学中の進路支援にも力を入れており、世界中の卒業生ネットワークを活用した進路支援を行っています。
また、本学の修士課程であるMGM(Master of Global Management)プログラムへ進学する学生も多くいます。 ※MGMとは、通常のMBAではなく、全てのクラスがグローバルな視点で構成され、 “第4次産業革命の時代に必要とされ、本当の意味でグローバルに活躍できる真のリーダーを育てる”ことを目的とした修士号です。
将来の選択肢を広げるためにも、日米両キャンパスでグローバルな視点で構成されたプログラムを学べるユニークな形の留学に挑戦してみるのはいかがでしょうか。
サンダーバードでは、日本オフィスにて日本人スタッフが個別に留学サポートの相談を受付ています。将来グローバルに活躍したいなど、海外にご興味のある学生の方は、ぜひご相談ください!
【外国大学の日本校認定】アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部 広島大学グローバル校の詳細はこちら
コラム監修者
<略歴>
信州大学グリーン社会協創機構特任教授。アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営大学院MBA。ハーバード大学大学院サステナビリティ専攻修士。東京大学教養学部国際関係論専攻卒。東証プライム上場企業、機関投資家、スタートアップ企業、ベンチャーキャピタルの社外取締役やアドバイザリーを多数務める。環境省、農林水産省、厚生労働省のESG分野の委員会委員を複数兼任。Jリーグ特任理事、ウォーターエイドジャパン理事、MASHSING UP理事。留学経験を活かしたグローバル視点での戦略立案を得意とする。国内外のテレビ、ラジオ、新聞、雑誌で解説を担当。
<主な著書>
『ネイチャー資本主義』(PHP新書)
『超入門カーボンニュートラル』(講談社+α新書)
『データでわかる 2030年 地球のすがた』(日経プレミアシリーズ)
『ESG思考』(講談社+α新書)