国内留学とは?メリット・デメリットと国内留学の方法
「国内留学ってメリットがあるの?」などの疑問を抱いていませんか。国内留学は、海外とよく似た環境で外国語を学ぶ学習方法です。国内で学習を進めるため、大した効果はないと考えている方もいるでしょう。しかし実際は、留学方法次第で、海外留学と同等程度の効果を期待できます。外国語学習の有力な選択肢のひとつです。
この記事では、国内留学の種類を紹介するとともにメリット・デメリットを解説しています。さらに、国内留学が向いている人の特徴も記載しています。以下の情報を参考にすれば、期待できる効果や自分に合っているかなどがわかるはずです。語学力を向上させたい方は参考にしてください。
目次
国内留学とは
国内留学に明確な定義はありません。基本的には、国内にいながら海外留学と同じような環境で学ぶことを指します。
代表的な例として、日本に住んでいる外国人のお宅でホームステイをさせてもらう、合宿制の英会話学校へ通うなどがあげられます。前者であれば国内にいながらネイティブな英語に触れること、後者であれば国内にいながら英語学習に集中することが可能です。
最近では、国内留学をサポートするサービスも登場しています。ただし、海外留学とすべてが同じわけではありません。
海外留学との違い
国内留学でも、ネイティブな英語に触れることや英語漬けの生活を送ることなどは可能です。しかし、誰でも同じように海外留学と同じ環境を実現できるわけではありません。
留学方法によっては、限られた時間しかネイティブな英語に触れられないことや生活から日本語を排除できないこともあります。
海外留学とよく似た体験はできるものの、その程度は留学方法などで大きく異なるといえるでしょう。英語を集中的に学ぶため、環境を整える努力が必要になります。
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国内留学の種類
国内留学の主な方法は次の通りです。
ホームステイ
国内で暮らしているアメリカ人宅などにホームステイをさせてもらう方法です。ホストファミリーの中には、英会話講師の経験がある方もいます。
ホームステイの魅力は、ネイティブな英語とともに欧米の文化や生活を体験できることです。滞在期間が終わってから交流を続けやすい点も、国内でホームステイをするメリットといえるでしょう。
シェアハウス
国内で暮らす外国人とひとつ屋根の下で一緒に暮らす方法です。国際交流を目的としているシェアハウス、英語と日本語を公用語としているシェアハウスなどがあります。
最も大きな特徴は、外国人と一緒に生活できることです。ただし、生活の場であるため、全てのシェアハウスで英語の教育を受けられるわけではありません。
合宿制英会話学校
宿泊施設などを併設する学校で、英語漬けの生活を送る方法です。具体的なルールは英会話学校で異なりますが、授業以外を含め合宿中の日本語の使用は基本的に禁止されます。
英会話学校によっては、休憩中や食事中に外国人講師と交流できるところもあります。海外留学に近い環境を作りやすい留学方法のひとつです。
外国大学などの日本校
外国の大学などが国内に設置した教育施設で学ぶ方法です。詳細はさまざまですが、外国人留学生と一緒に英語で授業を受けることが多いでしょう。
したがって、ネイティブな英語に触れるチャンスや英語を共通言語とする友人を作れるチャンスなどがあります。
欧米の文化・生活に触れられる点も魅力です。この方法も、海外留学に近い環境を実現しやすいといえます。
当サイトを運営するアリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部は文部科学省より「外国大学の日本校」として認可を受けております。
国内留学のメリット
国内留学にはさまざまなメリットがあります。代表的なメリットは次の通りです。
メリット1、海外に行かずに英語漬けの日々が過ごせる
国内留学は、英語漬けの生活を送りやすい傾向があります。環境に慣れているため、英語の勉強に集中できるからです。
海外留学では、寂しさのあまり日本人同士でかたまってしまうことが少なくありません。英語の勉強よりも、観光やショッピングに夢中になってしまうこともあります。
国内留学であれば、このような心配はほとんどないでしょう。同じ環境で生活を続けられるため、英語の勉強に集中しやすいと考えられます。
メリット2、日本にいるため安心安全
治安が良い国内で生活できる点もメリットとしてあげられます。これまで通りの生活を続けていれば、大きなトラブルに巻き込まれる心配はほとんどありません。
外国人旅行客に間違われることもないため、スリや置き引きなどのターゲットにもなりにくいでしょう。トラブルに巻き込まれたときに、日本語で対応できる点も魅力です。
以上のほかでは、新型コロナウイルス感染症の感染状況が比較的落ち着いている点も見逃せません。安心・安全な環境で英語を学べる点は、国内留学の大きなメリットです。
メリット3、将来海外に行きたい場合は下準備の期間になる
留学方法によっては、海外留学の準備期間にできる点もメリットとしてあげられます。
代表例といえるのが、外国大学の日本校です。外国大学の日本校の中には、年次が進むと外国大学で学べるところがあります。
例えば、当サイトを運営するアリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営大学院広島大学グローバル校では、1~2年次は広島大学のキャンパス、3~4年次はアリゾナ州立大学のキャンパスで学びます。授業は全て英語で行われるため、海外留学前に必要な英語力を養えます。
メリット4、ビザなどを取得する手間も省ける
航空券やパスポート、ビザなどを必要としない点も見逃せません。
これらの取得には、ある程度の手間と費用がかかります。
例えば、アメリカの学生ビザの取得には、ビザ申請書類の提出とビザ申請料金(160ドル)の支払い、米国大使館または領事館での面接が必要です(SEVIS費用(350ドル)の支払いも必要になります)。
英語で手続きを行うため、手間取ることが少なくありません。これらの手間と費用を省ける点は、国内留学の魅力です。
国内留学のデメリット
国内留学にはデメリットもあります。検討中の方は、以下の点に注意が必要です。
デメリット1、短期間のプログラムだと英語力向上は見込めない
英語漬けの生活を送ったとしても、短期間で英語力が飛躍的に向上するケースは多くありません。短期間のプログラムを選択すると、期待したほどの成果を実感できない恐れがあります。
とはいえ、短期間でも国内留学をすることで、英語力向上のきっかけをつかめることや意識していなかった弱点に気づけることはあります。
その後の学習につなげれば、短期間であっても無駄になることはないでしょう。英語力の飛躍的な向上を目指したい場合は、長期にわたり英語漬けの生活を送れる外国大学の日本校などを選ぶとよいかもしれません。
一方で英語力に自信の無いという方にはおすすめかもしれません。
デメリット2、費用が高い
留学方法によっては、費用が高くなる点にも注意が必要です。
合宿制英会話学校や外国大学の日本校などは費用が高くなりがちです。例えば、アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営大学院広島大学グローバル校の授業料は年間32,000ドルです。しかし、卒業後の選択肢が豊富になるため将来的なリターンを見込めます。また、全学生を対象とした奨学金制度も設けられています。
費用については、費用対効果の評価も必要と考えられます。
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デメリット3、日本人が多く異文化交流が体験しにくい
以上のほかでは、一緒に学ぶ生徒が日本人ばかりになりやすい点もデメリットとしてあげられます。講師以外は全員が日本人ということもあるでしょう。また、国内で生活するため、異文化は体験しにくい傾向があります。
これらのデメリットが気になる場合は、外国大学の日本校を選択するとよいかもしれません。
例えば、アリゾナ州立大学サンダーバードの日本校がある広島大学は、スーパーグローバル大学として採択されています。スーパーグローバル校は、学生グローバル対応力育成のための体制強化、徹底した国際化などに取り組み、世界レベルの教育を行う大学です。
多くの留学生が在籍しているため、さまざまな国・地域の方たちと一緒に学ぶことや手軽に異文化交流をはかることができます。
スーパーグローバル校について:文部科学省
デメリット4、留学経験のあるという肩書にはなりにくい
就職活動で肩書きになりにくい点にも注意が必要です。国内留学の定義が定まっていないため、適切に評価されない傾向があります。IELTSやTOEFL、TOEICなどの英語検定で英語力を証明しなければならないケースが多いでしょう。
以上のデメリットが気になる方にも、海外大学の日本校がおすすめです。例えば、アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営大学院広島大学グローバル校は、3~4年次をアリゾナキャンパスで過ごします。したがって、就職活動などで評価される留学経験になりえます。また、卒業することで、アメリカの大学の正規学士号も取得できます。
国内留学に向いている人
国内留学は、どのような人に適しているのでしょうか。適している人の特徴を紹介します。
慣れた環境で英語力を伸ばしたい人
国内留学は、慣れた環境で英語学習に集中したい人に向いています。
勉強以外のことを考える必要がないため、短期間で英語力を向上させられる可能性があります。
もちろん、海外の治安が心配な方にもおすすめです。
海外留学などを計画している人
海外留学やワーキングホリデーなどを計画している人にも向いています。国内で事前準備を進められるからです。
全く同じ環境を再現することは難しいですが、英語漬けの生活を送っておくことで海外留学などの楽しさや難しさなどを理解できます。したがって、海外留学を成功させられる可能性が高くなります。
国内留学も選択肢のひとつ
国内留学のメリット・デメリットについて解説しました。以前よりも環境が整っているため、英語力を向上させる有力な選択肢になっています。
興味のある方は、目的に合わせて留学方法を選択してみてはいかがでしょうか。
アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部について
アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部(以下、サンダーバード)は、1946年創立以来、75年以上の歴史を持つ、グローバルビジネスおよびグローバルマネジメントに特化した、高等教育機関です。
キャンパスには世界中から生徒が集まっており、その様子は「小さな国連」と呼ばれるほど。ダイバーシティな環境下で学ぶことにより、グローバルな視点や多文化への理解、協調性、そして将来のグローバルリーダーとしての力を養えます。
サンダーバードの卒業生たち
サンダーバードのアラムナイ(卒業生)は、世界約145ヶ国45,000人以上の卒業生からなり、その結びつきは他のビジネススクールでは見られない、非常に強固なものとして、世界的にも有名です。
アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部広島大学グローバル校の紹介
サンダーバードが提供している「グローバルマネジメント学」「国際貿易学」の学士号を、日本でも学べる新プログラムがスタートしました。
日本国内にいながら、世界トップレベルのマネジメントスクールの授業を受け、アメリカの正規の大学の学士号を取得できます。
アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部広島大学グローバル校は「外国大学の日本校」です
広島大学と75年以上の歴史をもつアリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営大学院が連携した学士号プログラムです。
本プログラムは文部科学省により「外国大学の日本校」として指定を受けております。
「外国大学の日本校」については、文部科学省のホームページをご覧ください。
外国大学等の日本校の指定:文部科学省
プログラムについて
取得できる学士号はアリゾナ州立大学の「グローバルマネジメント学」と「国際貿易学」の2種類です。
「グローバルマネジメント学」では、グローバルな環境で活躍するためのマネジメント力を学べるプログラムとなっています。
「国際貿易学」ではグローバルにビジネスを行うための政治的・文化的・経済的側面への理解を深めながら、国際貿易分野で活躍するために必要なスキルを学びます。
本プログラムでは、1・2年次を広島大学のキャンパスで、3・4年次をアリゾナ州で学びます。 広島を含め、4年間全ての授業が英語で行われますので、国内にいながらでもグローバルな環境で世界有数の大学によるグローバルマネジメントを学ぶことが可能です。
また、「国際貿易学」の学位取得後はアメリカでのOPT(Optional Practical Training)を取得し、卒業後アメリカで3年間の就労資格を得られます。
サンダーバードの国際貿易学はQS 国際貿易学ランキングにて「世界第1位」を獲得
サンダーバードの国際貿易学は、QSワールド大学ランキングの国際貿易学専攻で世界第1位を獲得しました。
QSワールド大学ランキングでは、修士課程(大学院)を専攻別に分け、以下の各項目について評価・選定したランキングを毎年発表しています。
- プログラムの内容
- 革新的な教育方法
- 学生が就職できるように大学がどのように準備しているか
サンダーバードは上記の各項目で、最高評価を獲得しています。
卒業後の進路について
サンダーバードの卒業生は、国際機関、グローバル企業をはじめ、各国政府やNPO団体など多種多様な分野において、世界を舞台に活躍。
在学中の進路支援にも力を入れており、世界中の卒業生ネットワークを活用した進路支援を行っています。
また、本学の修士課程であるMGM(Master of Global Management)プログラムへ進学する学生も多くいます。 ※MGMとは、通常のMBAではなく、全てのクラスがグローバルな視点で構成され、 “第4次産業革命の時代に必要とされ、本当の意味でグローバルに活躍できる真のリーダーを育てる”ことを目的とした修士号です。
将来の選択肢を広げるためにも、グローバルな視点で構成されたプログラムを日米両キャンパスで学べるユニークな形の留学に挑戦してみるのはいかがでしょうか。
サンダーバードでは、日本オフィスにて日本人スタッフが個別に留学サポートの相談を受付ています。将来グローバルに活躍したいなど、海外にご興味のある学生の方は、ぜひご相談ください!
【外国大学の日本校認定】アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部 広島大学グローバル校の詳細はこちら
コラム監修者
<略歴>
信州大学グリーン社会協創機構特任教授。アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営大学院MBA。ハーバード大学大学院サステナビリティ専攻修士。東京大学教養学部国際関係論専攻卒。東証プライム上場企業、機関投資家、スタートアップ企業、ベンチャーキャピタルの社外取締役やアドバイザリーを多数務める。環境省、農林水産省、厚生労働省のESG分野の委員会委員を複数兼任。Jリーグ特任理事、ウォーターエイドジャパン理事、MASHSING UP理事。留学経験を活かしたグローバル視点での戦略立案を得意とする。国内外のテレビ、ラジオ、新聞、雑誌で解説を担当。
<主な著書>
『ネイチャー資本主義』(PHP新書)
『超入門カーボンニュートラル』(講談社+α新書)
『データでわかる 2030年 地球のすがた』(日経プレミアシリーズ)
『ESG思考』(講談社+α新書)