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公開日:2022.04.18 / 最終更新日:2023.09.30

OPTとは?留学後もアメリカに滞在できるOPTについて解説

留学生として渡米した外国人が、留学後に一定期間アメリカに滞在できる制度「OPT」をご存じでしょうか。
原則として、留学生は語学学校や大学などを卒業すればすぐに帰国しなければなりませんが、OPTを利用することで最長1年間現地の企業で研修を受けることが可能です。

本記事では、そんなOPTについて詳しくご紹介します。 OPTの種類、申請に必要な書類や流れまで分かりやすく解説していますので、留学を考えている方、すでに留学中で卒業後の就職について悩んでいる方はぜひ参考になさってくださいね。

外国大学の日本校

OPTとは


OPTとは「Optional Practical Training」の略で、アメリカで留学生向けに作られた制度です。
アメリカの大学や大学院などを卒業後、最長1年間であれば学生ビザで滞在し、専攻と関連のある分野で企業研修を受けることができます。

原則として、留学生は留学期間を終えると帰国しなければなりませんが、留学中に学んだことを活かし、アメリカの企業で働くのであれば、さらに1年間は学生ビザのまま滞在してもOKという、留学生にとって非常に魅力的な制度なのです。

STEMとは

STEM(ステム)とは「Science(科学)・Technology(技術)・Engineering(工学)・Mathematics(数学)」の頭文字を取ったもので、これからの社会に適したスキルを持つ人材を育成することを目的に作られた教育方法です。

そのSTEM分野をアメリカの大学や大学院で先行している留学生については、OPT期間が最長24ヵ月延長され、通常のOPT期間と合わせて最長3年間滞在することが可能です。

日本でいう「理系」専攻であれば、学生ビザのまま3年間はインターンとしてアメリカの企業で働けると考えるとイメージしやすいでしょう。

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CPTとの違い

OPTとCPTの最も大きな違いは、制度を利用できる時期と職種の選択肢です。

CPTとは「Curricular Practical Training」の略で、アメリカに留学中の学生が、大学などのプログラムの一環として、企業で就業体験ができる制度です。 OPTが卒業後も活用できるプログラムであるのに対し、CPTは在学中にのみ適応されます。
あくまでもCPTは在学中のカリキュラムの一環としてのインターンシップとなるため、選べる企業の幅も狭くなりますが、基本的に学校側の承認が得られれば就業が可能です。

一方、OPTは学校だけでなく移民局への申請も必須となるため、CPTに比べると手続きに手間がかかりますが、就業先が限定されず卒業後も合法的に滞在できるのがメリットです。

OPTは2種類

OPTには「プレOPT」と「ポストOPT」の2種類があります。
ここでは、それぞれ違いについて知っておきましょう。

プレOPT

プレOPTは「Pre-Completion OPT」と表記され、大学や大学院に在学中に実施するOPTのことを指します。

学業が本分であるため、学期中は週20時間以内、秋休みなど学期外はフルタイムでの就労が可能というルールが決められています。 ただし、OPTの期間はプレOPTを含む最長1年間とされているため、そこから在学中に行ったプレOPT期間を差し引いた期間が、卒業後の残りの滞在可能期間となります。

ポストOPT

一般的にOPTと言われているのは、この「Post-Completion OPT」と呼ばれるポストOPTで卒業後に実施されます。

ポストOPTは、学位レベルごとに延長できるのがポイントです。 例えば、日本の短大のように2年間のコミュニティカレッジを卒業して1年間のOPTを行い、4年制大学の3年生に編入して卒業後1年間のOPTを実施、そこから大学院に進み修士号を取得すれば再度1年間のOPTを行える可能性もあるのです。

【例】

2年間のコミュニティカレッジを卒業→1年間のOPT→4年制大学の3年生に編入し、卒業→1年間のOPT→大学院を修了→1年間のOPT

OPTの申請資格

OPTを申請するためには、一定の条件をクリアしている必要があります。

OPT申請に必要な条件は、以下の通りです。

  1. 学生ビザ(F-1ビザ)で就学していること
  2. I-20、有効期限が6ヶ月以上残存するパスポートを所有していること
  3. 1年間、もしくは9ヶ月間のFull Academic Yearを修了していること
  4. 学位が取得できるプログラム、もしくはCertificate of Achievementを受講していること
  5. 学校が主催するワークショップに参加すること
  6. 専攻分野に関連する研修先を自身で見つけること

準博士号の専攻が「一般教養(General StudiesやLiberal Artsなど)」の場合はOPTの申請資格が得られないため注意が必要です。

OPTの申請に必要なものと申請の流れ

ここでは、OPTを申請する際に必要になるものと、申請の流れについて、分かりやすく解説します。

申請に必要なもの

OPTを申請する際は、以下の書類を揃える必要があります。

【OPT申請時の必要書類】

 

必要書類

詳細

1

パスポート
(コピー)

写真や氏名が掲載されているページのコピーを用意します。

2

I-765
(原本)

OPTの申請用紙です。定期的にフォームが変更されるため、記入する際は用紙右上にある有効期限を確認しましょう。

3

OPT申請費用

申請費用は$410で、現金ではなく小切手または郵便為替で支払う必要があります。

4

証明写真2枚

30日以内に撮影した、パスポート用サイズの写真が2枚必要です。裏面に氏名、生年月日、I-94番号、SEVIS番号を記載しましょう。

5

I-20
(コピー)

アメリカの大学などが発行する入学許可証で、OPT申請時に新しいものが発行されます。過去に発行されたI-20がある場合は、全てのコピーを提出します。

6

I-94
(コピー)

外国人に対して発行されるアメリカ出入国記録です。アメリカ合衆国税関・国境警備局(CBP)の公式ホームページからプリントアウトが可能です。

7

F-1ビザ
(コピー)

パスポート内のF-1ビザのページをコピーします。

申請の流れ

以下に、申請の流れを簡単に解説します。

  1. OPTワークショップに参加する
  2. 学校にOPTを申請する
  3. I-20が発行される
  4. 必要書類をUSCISに提出する
  5. EADカードが発行される
  6. 研修先を学校に報告する

まずは、学校で行われるワークショップに必ず参加しましょう。 その後、OPTを行う旨を学校に伝え、新しいI-20を発行してもらいます。

必要書類を全て揃えUSCIS(移民局)に提出すると、3ヶ月前後でEADカードが送付されます。 研修先が決まっていない場合は、この間に探しておきましょう。

OPT終了後にアメリカで働く方法

OPT終了後にアメリカで仕事に就くには就労ビザ(H-1Bビザ)が必要となります。 言ってしまえば、学歴や職歴よりも「ビザが取得できるか」が重要なのです。

原則H-1Bビザは、就職先が弁護士を雇う、つまりスポンサーになってくれないと申請ができません。 費用に加え手間や時間がかかるため、非常に難しいのが現実です。 ただし、経験やスキルがある留学生については、即戦力として雇用先が見つかる可能性があります。

どうしても現地で就職したい場合は、現地の大学へ進学し、確実な英語力とスキルを身に着けましょう。

【関連記事】
アメリカで働くには?働く方法と取得を検討したい資格

外国大学の日本校

OPTを活用して滞在期間を延長しよう

いかがでしたでしょうか。 この記事を読んでいただくことで、OPTの概要や申請方法についてご理解いただけたと思います。
OPTを行うことで、学生ビザのまま最長1年間アメリカに滞在することが可能です。

必要書類さえ用意すれば、手続きは難しいものではないため、アメリカで経験を積みたい方や現地での就職を希望する方はぜひ活用しましょう。

アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部について

アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部(以下、サンダーバード)は、1946年創立以来、75年以上の歴史を持つ、グローバルビジネスおよびグローバルマネジメントに特化した、高等教育機関です。

キャンパスには世界中から生徒が集まっており、その様子は「小さな国連」と呼ばれるほど。ダイバーシティな環境下で学ぶことにより、グローバルな視点や多文化への理解、協調性、そして将来のグローバルリーダーとしての力を養えます。

サンダーバードの卒業生たち

サンダーバードのアラムナイ(卒業生)は、世界約145ヶ国45,000人以上の卒業生からなり、その結びつきは他のビジネススクールでは見られない、非常に強固なものとして、世界的にも有名です。

アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部広島大学グローバル校の紹介

サンダーバードが提供している「グローバルマネジメント学」「国際貿易学」の学士号を、日本でも学べる新プログラムがスタートしました。

日本国内にいながら、世界トップレベルのマネジメントスクールの授業を受け、アメリカの正規の大学の学士号を取得できます。

プログラム詳細はこちら

アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部広島大学グローバル校は「外国大学の日本校」です

広島大学と75年以上の歴史をもつアリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営大学院が連携した学士号プログラムです。

本プログラムは文部科学省により「外国大学の日本校」として指定を受けております。
「外国大学の日本校」については、文部科学省のホームページをご覧ください。
外国大学等の日本校の指定:文部科学省

プログラムについて

取得できる学士号はアリゾナ州立大学の「グローバルマネジメント学」と「国際貿易学」の2種類です。

「グローバルマネジメント学」では、グローバルな環境で活躍するためのマネジメント力を学べるプログラムとなっています。

「国際貿易学」ではグローバルにビジネスを行うための政治的・文化的・経済的側面への理解を深めながら、国際貿易分野で活躍するために必要なスキルを学びます。

本プログラムでは、1・2年次を広島大学のキャンパスで、3・4年次をアリゾナ州で学びます。 広島を含め、4年間全ての授業が英語で行われますので、国内にいながらでもグローバルな環境で世界有数の大学によるグローバルマネジメントを学ぶことが可能です。

また、「国際貿易学」の学位取得後はアメリカでのOPT(Optional Practical Training)を取得し、卒業後アメリカで3年間の就労資格を得られます。

サンダーバードの国際貿易学はQS 国際貿易学ランキングにて「世界第1位」を獲得

サンダーバードの国際貿易学は、QSワールド大学ランキングの国際貿易学専攻で世界第1位を獲得しました。
QSワールド大学ランキングでは、修士課程(大学院)を専攻別に分け、以下の各項目について評価・選定したランキングを毎年発表しています。

  • プログラムの内容
  • 革新的な教育方法
  • 学生が就職できるように大学がどのように準備しているか

サンダーバードは上記の各項目で、最高評価を獲得しています。

詳しくはこちら

卒業後の進路について

サンダーバードの卒業生は、国際機関、グローバル企業をはじめ、各国政府やNPO団体など多種多様な分野において、世界を舞台に活躍。
在学中の進路支援にも力を入れており、世界中の卒業生ネットワークを活用した進路支援を行っています。

また、本学の修士課程であるMGM(Master of Global Management)プログラムへ進学する学生も多くいます。 ※MGMとは、通常のMBAではなく、全てのクラスがグローバルな視点で構成され、 “第4次産業革命の時代に必要とされ、本当の意味でグローバルに活躍できる真のリーダーを育てる”ことを目的とした修士号です。

将来の選択肢を広げるためにも、日米両キャンパスでグローバルな視点で構成されたプログラムを学べるユニークな形の留学に挑戦してみるのはいかがでしょうか。

サンダーバードでは、日本オフィスにて日本人スタッフが個別に留学サポートの相談を受付ています。将来グローバルに活躍したいなど、海外にご興味のある学生の方は、ぜひご相談ください!

【外国大学の日本校認定】アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部 広島大学グローバル校の詳細はこちら

 

コラム監修者

監修者の写真

夫馬 賢治Kenji Fuma

株式会社ニューラル

代表取締役CEO

<略歴>

信州大学グリーン社会協創機構特任教授。アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営大学院MBA。ハーバード大学大学院サステナビリティ専攻修士。東京大学教養学部国際関係論専攻卒。東証プライム上場企業、機関投資家、スタートアップ企業、ベンチャーキャピタルの社外取締役やアドバイザリーを多数務める。環境省、農林水産省、厚生労働省のESG分野の委員会委員を複数兼任。Jリーグ特任理事、ウォーターエイドジャパン理事、MASHSING UP理事。留学経験を活かしたグローバル視点での戦略立案を得意とする。国内外のテレビ、ラジオ、新聞、雑誌で解説を担当。

<主な著書>

ネイチャー資本主義』(PHP新書)

超入門カーボンニュートラル』(講談社+α新書)

データでわかる 2030年 地球のすがた』(日経プレミアシリーズ)

ESG思考』(講談社+α新書)

 

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