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公開日:2022.11.20 / 最終更新日:2023.04.13

アメリカの大学へ進学時に必要なSATのスコアはどのくらい?

アメリカの大学に出願する際に、SATのスコアの提出を求められることがあります。

SATという言葉は聞いたことがあっても「SATの詳細や、スコアがどのくらい必要なのかがよくわからない」とお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで今回は、SATの概要や、アメリカの大学に進学する際に必要なSATのスコアの目安を紹介します。 アメリカの大学への進学をお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。

外国大学の日本校

SATとは?


SATとは「Standardized Test」の頭文字をとった略語で、アメリカの大学への進学希望者を対象とした共通テストです。一般的に、アメリカの高校生は、高校2年生の春学期あるいは高校3年生の秋学期にSATを受けます。

アメリカは、高校までが義務教育ですが、授業や成績評価などが各州によって独自につくられているためです。 高校の成績だけで合否を判断することが難しいので、全米の高校生の基礎学力を測るための共通テストとして、SATが用いられています。

なお、SATは民間の教育機関であるCollege Boardによって運営されています。

SATのテスト内容

SATは「Evidence-Based Reading and Writing」と「Mathematics」の2つのセクションで構成されています。
SATのテスト内容を、セクションごとに以下の表にまとめました。

【SATのテスト内容】

セクション

パート

問題数

時間

点数

Evidence-Based Reading

and Writing

Reading

52問

65分

200~800点

Writing

and Language

44問

35分

Mathematics

Non-Calculator

20問

25分

200~800点

Calculator

38問

55分


 Evidence-Based Reading and WritingとMathematicsの各セクションの点数が合計されるので、最低スコアが400点、最高スコアは1,600点となります。

問題数は154問で、Mathematicsの数問以外はすべて選択式です。 なお、以前はEssayというセクションがありましたが、2021年に廃止されました。

また、テスト時間は3時間で、途中に5分間と10分間の休憩を挟むので、合計3時間15分の時間を要します。

テストの時間に対して問題数が多いため、効率よく問題を解いていけるかどうかがポイントです。
以下で、各セクションにおける出題内容を詳しく紹介します。

Evidence-Based Reading and Writingで問われる内容

Evidence-Based Reading and Writingのセクションは「Reading」と「Writing and Language」の2つのパートで構成されています。

Readingでは5つの英文を読み、それぞれの文章に対する10~11個の問題に答える必要があります。 英文の内容は、フィクションや歴史、そのほかに社会科学や自然科学などさまざまです。

Writing and Languageでは、4つの英文のなかにある間違いを訂正することが要求されます。 選択式の問題となっており、文章中に間違いがあれば適切な修正の選択肢を、間違いがなければ原文を変えないという選択肢を選びます。
このように、Evidence-Based Reading and Writingは、語彙力や読解力、そして推論力などが問われるセクションです。 英語のセクションではありますが、ネイティブレベルの英語が出題されるため、日本の高校生にとっては難解であるといえます。

Mathematicsで問われる内容

Mathematicsのセクションは「Non-Calculator」と「Calculator」の2つのパートで構成されており、Calculatorでは電卓の使用が許可されています。

パートごとに、数学の演算や代数、幾何学、統計や確立などの分野から出題されます。 基本的に問題は選択式ですが、一部の問題では答えに該当する数字を回答しなければなりません。

このセクションでは、日本の高校数学レベルの問題が多く出題されます。 そのため、数学によく出てくる英単語を把握したうえで、過去問を使って対策すれば、英語にあまり自信がない日本の高校生でも、高いスコアを狙うことが可能です。

アメリカの大学に進学する際に必要なSATのスコアの目安

ここからは、アメリカの大学への進学時に必要なSATのスコアの目安を、3段階に分けて紹介します。

ただし、アメリカの大学の合否はSATのスコアだけではなく、高校の成績やエッセイなどの複数の項目によって総合的に決まるので、あくまでも目安としてご参考ください。

SATのスコア1,400点以上が目安のアメリカの大学

アイビーリーグとよばれる、アメリカの名門大学では、SATで何点以上のスコアがあれば安心といった基準はありません。 しかし、名門大学に合格した生徒のSATの平均スコアは1,400~1,500点であるため、少なくとも1,400点以上のスコアを目指す必要があります。

アイビーリーグとは、マサチューセッツ州のハーバード大学や、ニューヨーク州のコロンビア大学、コネチカット州のイェール大学などの、アメリカの8つの名門大学のことです。

世界レベルのスポーツの試合で優秀な成績を収めたなどのように、際立った経歴を持っていなければ、1,400点程度のSATのスコアで合格することは厳しいとされています。 そのため、アメリカの名門大学への進学を考えているのであれば、限りなく満点に近いスコアを目指して、SATの対策を立てなければなりません。

SATのスコアの目安が1,200~1,300点のアメリカの大学

SATのスコアの目安が1,200~1,300点のアメリカの大学としては、小規模なリベラルアーツ校が挙げられます。 リベラルアーツ校とは、入学してから専攻分野を選べる、アメリカ独自のタイプの大学です。
学生数は1,000~3,000人と小規模ですが、留学生の割合も10パーセント程度の大学が多いので、リベラルアーツ校は留学生にも適しています。

リベラルアーツ校の例としては、オハイオ州のオハイオウェズリアン大学やイリノイ州のレイクフォレストカレッジ、ジョージア州のアグネススコットカレッジなどがあります。

一方で、州立大学になると、SATのスコアの目安が1,200~1,300点の大学は少なく、リベラルアーツ校とは異なり、留学生の受け入れもあまり盛んではありません。

SATのスコアの目安が1,000点のアメリカの大学

アメリカの田舎や郊外にある、学生数が1万人程度あるいは、それ以下の比較的小規模な大学の合格に必要なSATのスコアの目安は、1,000点程度です。

比較的小規模な大学では、留学生の数も限られており、ほとんど現地の学生で構成されています。
具体的には、ペンシルバニア州のニューマン大学や、バージニア州のブルーフィールドカレッジ、ウェストバージニア州のデービスアンドエルキンス大学などが挙げられます。

落ち着いた雰囲気のアットホームな大学を目指したい方は、SATで1,000点程度のスコアをまずは目指してみてください。

ただし、このような大学では、専攻できる分野が限られているケースも多いので、ご自身が学びたい分野があるのかどうかを、事前にしっかりと確認しておきましょう。

SATを日本で受験する方法

SATはアメリカだけではなく、日本でも受けられます。

そこでここからは、SATを日本で受験する際の、申し込みの手順や受験料などを紹介するので、SATの受験をお考えの方は、参考にしながら準備を進めてみてください。

手順①目標のスコアから逆算して日程を決める

まずは、SATを受験する日程を決めましょう。 希望する大学や気になる大学がある場合は、最終的な目標のスコアをいつまでに取得するのかを逆算したうえで、受験する日程を決めておくことが大切です。

アメリカでの受験以外では、SATの実施日程は年5~6回と限られているうえに、目標のスコアまでの到達に、一定の時間を要するためです。
特に、アメリカの難関大学を目指している方や、テストに苦手意識をお持ちの方は、できるだけ早い段階から準備を始めましょう。 遅

くとも、高校2年生の夏前には、SATの対策を始めるのが望ましいです。

【関連記事】
SATの勉強方法とは?おすすめの参考書・問題集も紹介

手順②College Boardのアカウントを作成する

SATの受験は、オンライン上での申し込みのために、College Boardの公式サイトでアカウントを作成します。

アカウントの作成には、氏名や住所のほかに、パスポートや学生証などの顔写真つきの身分証明書(ID)が必要なので、手元に用意したうえで始めるとスムーズに進められます。 また、ご自身の情報を入力する際には、誤った内容を記載しないように注意しなければなりません。

なお、SATの受験の申し込みや変更はすべてこのアカウントを使うため、ログインIDやパスワードなどのアカウントの情報をきちんと管理しておきましょう。

手順③SATの受験を申し込む

College Boardのアカウントの作成が完了したら、SATの公式サイトからテストの日程と会場を選びます。

アメリカ以外の受験は、1年に実施される回数が決まっており、テスト会場のほとんどは、主要都市のインターナショナルスクールです。 インターナショナルスクールが、その学校の生徒の受験枠を確保していて、早い段階で申し込みが締め切られるケースもあるため注意が必要です。

希望の日程と会場でSATを受験するためにも、受付が始まったら早めに申し込むようにしてみてください。

手順④受験料を支払う

テストの日程と会場の選択ができたら、受験料を支払いましょう。

SATの受験料は、基本料の55ドルですが、日本で受験する際には別途53ドルかかります。 受験料は、SATの公式サイトで支払いでき、クレジットカードかPayPalが使用できます。

手順⑤Admission Ticketを印刷する

受験料の支払い完了後は、Admission Ticketを印刷しておきます。

Admission Ticketは、テスト当日の会場で、身分証明書とともに提示しなければなりません。 PDFで送られてくるので、事前に印刷して、無くさないように当日まで保管しておきましょう。

SATのスコアの提出は今後どうなるのか?

これまではアメリカの大学に出願する場合、学力の指標となるSATのスコアの提出は必須でした。 しかし、2020~2021年度入試以降、一部の大学ではSATのスコアの提出が不要または任意になっています。 コロナウイルス感染症拡大の影響で、テストの中止が相次いだためです。

ただし、提出が任意の大学であっても、入試の評価にプラスの影響があるので、一定以上のスコアをお持ちの場合は、提出したほうが有利になるといえます。 また、現在、SATのスコアの提出が不要あるいは任意の大学であっても、将来的に必須になる可能性もあるため注意が必要です。

アメリカの大学への進学をお考えの方は、SATの高いスコアを取得できるように対策してみてはいかがでしょうか。

なお、アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部では、入試の際にSATスコアの提出は必要ありません。本学の出願の条件は非常にシンプルで、必要な書類などの募集要項の詳細は、サンダーバードの公式サイトでご覧いただけます。
また、サンダーバードは、日本オフィスにて日本人スタッフが個別に留学サポートの相談を受付ていますので、お気軽にご相談ください!
募集要項の詳細はこちら

SATのスコアだけでアメリカの大学の合否は決まらないが目指す大学に合わせて対策しよう

いかがでしたでしょうか?

SATは「Standardized Test」の頭文字をとった略語で、アメリカの大学への進学希望者を対象とした共通テストです。「Evidence-Based Reading and Writing」と「Mathematics」の、2つのセクションで構成されています。

SATのテスト内容や大学への進学時に必要なSATのスコアの目安、そしてSATを日本で受験する際の申し込みの手順なども紹介してきました。

アメリカの大学への進学をお考えの方は、ぜひ本記事を参考にしてSATの対策を進めてみてください。

外国大学の日本校

アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部について

アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部(以下、サンダーバード)は、1946年創立以来、75年以上の歴史を持つ、グローバルビジネスおよびグローバルマネジメントに特化した、高等教育機関です。

キャンパスには世界中から生徒が集まっており、その様子は「小さな国連」と呼ばれるほど。ダイバーシティな環境下で学ぶことにより、グローバルな視点や多文化への理解、協調性、そして将来のグローバルリーダーとしての力を養えます。

サンダーバードの卒業生たち

サンダーバードのアラムナイ(卒業生)は、世界約145ヶ国45,000人以上の卒業生からなり、その結びつきは他のビジネススクールでは見られない、非常に強固なものとして、世界的にも有名です。

アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部広島大学グローバル校の紹介

サンダーバードが提供している「グローバルマネジメント学」「国際貿易学」の学士号を、日本でも学べる新プログラムがスタートしました。

日本国内にいながら、世界トップレベルのマネジメントスクールの授業を受け、アメリカの正規の大学の学士号を取得できます。

プログラム詳細はこちら

アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部広島大学グローバル校は「外国大学の日本校」です

広島大学と75年以上の歴史をもつアリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営大学院が連携した学士号プログラムです。

本プログラムは文部科学省により「外国大学の日本校」として指定を受けております。
「外国大学の日本校」については、文部科学省のホームページをご覧ください。
外国大学等の日本校の指定:文部科学省

プログラムについて

取得できる学士号はアリゾナ州立大学の「グローバルマネジメント学」と「国際貿易学」の2種類です。

「グローバルマネジメント学」では、グローバルな環境で活躍するためのマネジメント力を学べるプログラムとなっています。

「国際貿易学」ではグローバルにビジネスを行うための政治的・文化的・経済的側面への理解を深めながら、国際貿易分野で活躍するために必要なスキルを学びます。

本プログラムでは、1・2年次を広島大学のキャンパスで、3・4年次をアリゾナ州で学びます。 広島を含め、4年間全ての授業が英語で行われますので、国内にいながらでもグローバルな環境で世界有数の大学によるグローバルマネジメントを学ぶことが可能です。

また、「国際貿易学」の学位取得後はアメリカでのOPT(Optional Practical Training)を取得し、卒業後アメリカで3年間の就労資格を得られます。

サンダーバードの国際貿易学はQS 国際貿易学ランキングにて「世界第1位」を獲得

サンダーバードの国際貿易学は、QSワールド大学ランキングの国際貿易学専攻で世界第1位を獲得しました。
QSワールド大学ランキングでは、修士課程(大学院)を専攻別に分け、以下の各項目について評価・選定したランキングを毎年発表しています。

  • プログラムの内容
  • 革新的な教育方法
  • 学生が就職できるように大学がどのように準備しているか

サンダーバードは上記の各項目で、最高評価を獲得しています。

詳しくはこちら

卒業後の進路について

サンダーバードの卒業生は、国際機関、グローバル企業をはじめ、各国政府やNPO団体など多種多様な分野において、世界を舞台に活躍。
在学中の進路支援にも力を入れており、世界中の卒業生ネットワークを活用した進路支援を行っています。

また、本学の修士課程であるMGM(Master of Global Management)プログラムへ進学する学生も多くいます。 ※MGMとは、通常のMBAではなく、全てのクラスがグローバルな視点で構成され、 “第4次産業革命の時代に必要とされ、本当の意味でグローバルに活躍できる真のリーダーを育てる”ことを目的とした修士号です。

将来の選択肢を広げるためにも、グローバルな視点で構成されたプログラムを日米両キャンパスで学べるユニークな形の留学に挑戦してみるのはいかがでしょうか。

サンダーバードでは、日本オフィスにて日本人スタッフが個別に留学サポートの相談を受付ています。将来グローバルに活躍したいなど、海外にご興味のある学生の方は、ぜひご相談ください!

【外国大学の日本校認定】アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部 広島大学グローバル校の詳細はこちら

コラム監修者

監修者の写真

夫馬 賢治Kenji Fuma

株式会社ニューラル

代表取締役CEO

<略歴>

信州大学グリーン社会協創機構特任教授。アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営大学院MBA。ハーバード大学大学院サステナビリティ専攻修士。東京大学教養学部国際関係論専攻卒。東証プライム上場企業、機関投資家、スタートアップ企業、ベンチャーキャピタルの社外取締役やアドバイザリーを多数務める。環境省、農林水産省、厚生労働省のESG分野の委員会委員を複数兼任。Jリーグ特任理事、ウォーターエイドジャパン理事、MASHSING UP理事。留学経験を活かしたグローバル視点での戦略立案を得意とする。国内外のテレビ、ラジオ、新聞、雑誌で解説を担当。

<主な著書>

ネイチャー資本主義』(PHP新書)

超入門カーボンニュートラル』(講談社+α新書)

データでわかる 2030年 地球のすがた』(日経プレミアシリーズ)

ESG思考』(講談社+α新書)

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