海外でのMBA取得のために必要な英語力はどのくらい?勉強方法も紹介
キャリアアップや海外進出を考えて、MBAの取得を視野に入れている方もいらっしゃるでしょう。
しかし、取得するにあたり「自分の英語力で十分だろうか」と不安になるかと思います。
そこで本記事では、MBAの取得に必要な英語力の目安を示したうえで、英語学習のポイントや対策、注意点などを紹介します。 MBAの取得に興味があり、対策しておきたいとお考えの方は、参考にしてみてください。
目次
MBAとは?
MBA(Master of Business Administration)とは、海外か国内で経営学の大学院修士課程を修了すると授与される学位です。日本では経営学修士号、または経営管理修士号とよばれます。
MBAを取得すると、経営に必要な知識やリーダーシップ、英語でのコミュニケーション力も身につきます。 「将来は経営者や経営をサポートする立場にキャリアアップしたい」「世界で活躍したい」と考えている方に向いており、授業を受けるなかで国際的な人脈を築くことも可能です。
海外MBAの取得に必要な英語力の目安
海外でMBAを取得するために必要な英語力は、国内で実施されているさまざまな検定試験で測れます。
英語力を測る際に使える代表的な検定試験と、それぞれの点数の目安は、下記の表のとおりです。
【検定試験ごとの点数の目安】
検定試験名 |
点数の目安 |
TOEIC |
970~990点(990点中) |
TOFEL |
100〜110点(120点中) |
IELTS |
6.5〜7.5段階(9.0段階中) |
GMAT |
600〜720点(800点中) |
MBAを取得するためには、どの検定試験においても高得点を取れるほどの英語力が必要です。
その理由は、下記のようにMBA課程のさまざまな場面で英語力が求められるためです。
【MBA課程で英語を使用する場面】
- 授業の聴講
- レポート作成
- クラスメイトとのディスカッション
- プレゼンテーション
- 現地企業でのインターンシップ
これらの場面で必要な英語力はすぐに身につくものではないため、大学院へ出願する前からしっかりと勉強しておく必要があります。
当サイトを運営するアリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営大学院では、入学時に必要な英語力は、「TOEFL : 550 (PBT) or 80 (iBT)以上、IELTS : 6.5. 以上」です。
詳しくは募集要項をご覧ください
また、本学への入学基準に英語レベルが満たない方には、アリゾナ州立大学より8週間のオンラインコースが用意されています。このコースを一定の成績で修了することにより、英語の入学条件が免除されます。
詳しくは、日本オフィスまでお問い合わせください。日本人スタッフが個別にサポートさせて頂きます。
国内MBAの取得に必要な英語力の目安
国内でMBAを取得するには、国内の大学院が実施しているMBA課程を修了するか、海外の大学院が日本で実施しているMBA課程で取得するかの2通りの方法があります。
前者で求められる英語力は大学院により異なりますが、TOEICであれば700~900点台を目安にしましょう。
また、後者の海外の大学院が日本で実施しているMBA課程を受ける場合は、海外へ留学するのと同等の英語力が必要です。
通いやすさや費用の面を考慮しつつ、自分に合った方法でMBA取得を目指しましょう。
海外MBAを取得するための英語学習のポイントと対策
ここからは、海外でMBAを取得するにあたって押さえておきたい英語学習のポイントや、対策方法を紹介します。
ポイント①語彙力と文法力を鍛える
英語を学ぶうえでもっとも鍛えたい能力は、語彙力と文法力です。 これらを鍛えないと、授業を聞いて理解する、参考書を読む、課題のレポートを書くといった、基本的な学業もままなりません。
語彙力をつけるためには、TOEFLに必要な英単語を1万~1万5,000ほど覚えることを目標にしましょう。 また、MBA課程では経営学用語をたびたび使用するので、そちらも受講する前に覚えておくのが望ましいです。
文法力は、英文法の問題集を繰り返し解く、そして日ごろから英文を読む習慣を身につけることで鍛えられます。 短めの英文のニュース記事を読んだり、好きな日本語の本の英文版を探して読んだりすると、無理なく英文に親しむことができます。
最終的には一文を何度も往復するのではなく、左から右に一度読んだだけで意味が理解できるようになるのが理想的です。
ポイント②リスニングに慣れておく
語彙力と文法力を鍛えれば、英語は理解できます。 しかし、リスニング力も鍛えなければ、先生やほかの生徒が話していることを理解できず、授業についていけません。 毎日英語を聞いて、英語の発音に耳を慣らしておくことが大切です。
おすすめの方法は、音声ガイドがついている参考書を使って、繰り返し音声を聞くことです。 まずは英文を目で追いながら音声を聞き、慣れてきたら英文を見ずに聞いてみます。
さらに耳が慣れたら、音声を真似して英文を口に出してみましょう。 これを繰り返すと、英語を聞き取る能力を鍛えられます。
ポイント③ライティング力を身につける
MBA課程ではレポートを作成する課題が多いため、英語のライティング力も必要です。
最初は短い文章を書くことから始めて、徐々に長い文章を書いてみましょう。 たとえば、好きな本の感想文や日記など、まずは自分の好きなように文章を書いてみると、楽しく続けられます。
英語のライティングに慣れてきたら、論文を書く練習も始めたいところです。 英語圏では特に、結論から先に述べたあとに、論理的な文章を書くというスキルが求められます。 課題に取り組む際に必要なスキルなので、事前に勉強しておくと安心です。
また、自分が書いた文章を添削してもらうとライティング能力が上達するため、英語教室へ通うか、インターネットで添削してくれる方を探すという方法も一つの手です。
ポイント④英語で話す習慣をつける
MBA課程では、英語での会話が基本です。
英会話に慣れるため、英語の質問や意見に素早く答えられる力をつけるには、英語のネイティブスピーカーと毎日30分ほど話すのをおすすめします。
相手の言葉を英語のまま理解し、自分の考えを英語のまま伝えられるレベルに達することを目標にしてみてください。
慣れないうちは、耳で聞いた内容を頭の中で日本語に変換したあと、話したい内容を日本語から英語に変換しなければならないため、スムーズに話せないかもしれません。しかし毎日コツコツ続ければ、落ち着いて会話できるようになるでしょう。
ポイント⑤論理的に意見を伝えられるようにする
大学院ではディスカッションやプレゼンテーションを行う授業が多いので、日常会話だけではなく、論理的な意見も英語で述べられるようにしておく必要もあります。 そのような場面に備えて、使える定型文を覚えたうえで、ビジネス英語に特化した英会話教室へ通うなどの対策をとりましょう。
また、参考のために英語でプレゼンテーションを行っている動画を探して、繰り返し観てみるのもおすすめです。 アメリカの大統領や著名人の演説は、よくスピーチやプレゼンテーションの教材として使われています。
英語のプレゼンテーションでは、身振りや手振りを交えながら、相手に効果的に伝わるような工夫が凝らされているので、その部分にも注目してみてください。
英語学習時の注意点
MBA取得のための英語学習のポイントと対策は押さえられましたか?
続いて、英語学習における3つの注意点を紹介します。
注意点①わからない部分を放置しない
英語学習中は、知らない単語や文法、聞き慣れない発音などに戸惑うこともあるでしょう。
しかし、わからないまま放置してしまっては、英語力は頭打ちになります。 時間がかかっても、調べて納得したうえで次に進む姿勢が大切です。
また、大学院に入学したあともわからない専門用語や、学習内容が必ず出てきます。 一つひとつ調べる習慣を今のうちに身につけておきたいところです。
注意点②学習は毎日続ける
社会人が本腰を入れて英語を学習するとなると、毎日仕事のかたわらで勉強を続けなければならず、挫折しやすいものです。
しかし、MBAを取得するためには、高い英語力が求められるので、毎日続けることが大切です。 通勤時間に英語の音声を聞いたり、昼休みに英文のニュースを読んだりして、毎日コツコツ英語を勉強するように心がけましょう。
毎日まとまった時間に勉強できなくても「短時間でもよいから続ける」という意識を持つと、継続して英語学習に励めます。
注意点③いきなり英語で専門書を読まない
MBA課程では英語で経営学を学ぶため、わからない専門用語がたくさん登場します。
急にわからないことが増えると挫折しやすく、また授業についていけないとMBAを取得できない懸念もあります。 そこで、あらかじめ経営学の専門書を日本語で読んでおくと安心です。
日本語の専門書を読んだあとは、同じ内容が書かれている専門書を英語で読み、内容を英文でまとめましょう。 英文の読み書きを練習しつつ、授業の予習もできて一石二鳥です。
英語以外に対策が必要なもの
ここまでは英語学習のポイントと対策方法、注意点を紹介しましたが、MBAを取得するためには英語以外にもエッセイや面接に備えて対策しなければなりません。
エッセイや面接では、ご自身の仕事の実績や将来の目標などを述べたうえで、大学院に入学したい理由や、成し遂げたいことなどをしっかりと伝えます。さらに、独自性やインパクトも大切なので、ほかの人にはない経験を述べられるとベストです。
また、MBAではリーダーシップをとった経験が重要視されるため、特にその点を強調すると、入学審査官によい印象を与えられるでしょう。
エッセイと面接の技術面においては、第三者に添削してもらったり、模擬面接を受けたりしておくと安心です。
海外MBAを取得するための英語力の目安を知ったうえで英語学習の計画を立てよう
いかがでしたでしょうか?
本記事では、MBAを取得するための英語力の目安を提示するとともに、英語学習のポイントや対策、注意点などを紹介しました。 MBAを取得するには、総合的な英語力が必要です。
求められるレベルも高いので、TOEICやTOEFLといった検定試験で満点を取れるくらいまで勉強しましょう。
また、MBA課程の授業では英語を使ったプレゼンテーションやディスカッションなどもあるため、ネイティブスピーカーと話す機会をたくさん設けて、英語に親しんでおくことが肝心です。
アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営大学院の紹介
アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営大学院(以下、サンダーバード)は、1946年創立以来、75年以上の歴史を持つ、グローバルビジネスおよびグローバルマネジメントに特化した、高等教育機関です。
サンダーバードでは、通常のMBAではなく、全てのクラスがグローバルな視点で構成されMGM(Master of Global Management)プログラムを提供しており、“第4次産業革命の時代に必要とされ、本当の意味でグローバルに活躍できる真のリーダーを育てる”ことを目的とした修士号となります。
サンダーバードのMGMは、2019年に、ウォールストリートジャーナルより世界24カ国114のビジネススクールの中から、グローバルマネジメントの分野において、第1位に選ばれています。
キャンパスには世界中から生徒が集まっており、その様子は「小さな国連」と呼ばれるほど。ダイバーシティな環境下で学ぶことにより、グローバルな視点や多文化への理解、協調性、そして将来のグローバルリーダーとしての力が養われます。
アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営大学院の詳細はこちら
サンダーバードの国際貿易学はQS 国際貿易学ランキングにて「世界第1位」を獲得
サンダーバードの国際貿易学は、QSワールド大学ランキングの国際貿易学専攻で世界第1位を獲得しました。
QSワールド大学ランキングでは、修士課程(大学院)を専攻別に分け、以下の各項目について評価・選定したランキングを毎年発表しています。
- プログラムの内容
- 革新的な教育方法
- 学生が就職できるように大学がどのように準備しているか
サンダーバードは上記の各項目で、最高評価を獲得しています。
サンダーバードの卒業生たち
サンダーバードのアラムナイ(卒業生)は、世界約145ヶ国45,000人以上の卒業生からなり、その結びつきは他のビジネススクールでは見られない、非常に強固なものとして、世界的にも有名です。
最後に、様々な分野でグローバルに活躍する卒業生たちを紹介いたします。
卒業生インタビュー 夫馬 賢治 ’12
卒業生インタビュー 中里 豊 ’03
卒業生インタビュー 細川 慎一 ’01
サンダーバードでは日本オフィスにて日本人スタッフが個別にサポートの相談を受付ています。ぜひ日本オフィスまでご相談ください。
コラム監修者
<略歴>
信州大学グリーン社会協創機構特任教授。アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営大学院MBA。ハーバード大学大学院サステナビリティ専攻修士。東京大学教養学部国際関係論専攻卒。東証プライム上場企業、機関投資家、スタートアップ企業、ベンチャーキャピタルの社外取締役やアドバイザリーを多数務める。環境省、農林水産省、厚生労働省のESG分野の委員会委員を複数兼任。Jリーグ特任理事、ウォーターエイドジャパン理事、MASHSING UP理事。留学経験を活かしたグローバル視点での戦略立案を得意とする。国内外のテレビ、ラジオ、新聞、雑誌で解説を担当。
<主な著書>
『ネイチャー資本主義』(PHP新書)
『超入門カーボンニュートラル』(講談社+α新書)
『データでわかる 2030年 地球のすがた』(日経プレミアシリーズ)
『ESG思考』(講談社+α新書)