COLUMN
公開日:2023.01.05 / 最終更新日:2023.04.13

帰国生入試とは?出願の条件・書類・試験の流れなどを紹介

ご家族の都合で海外の学校に通っている高校生のなかには、日本での大学進学を考えている方もいるでしょう。
一定の条件をクリアしていれば、帰国生入試という特別な大学入試を受けることが可能です。

そこで本記事では、帰国生入試の概要や出願条件、必要な書類、試験の流れなどを紹介します。 日本の大学への進学方法を調べておきたい方は、ぜひ参考になさってください。

外国大学の日本校

目次

帰国生入試とは


帰国生入試とは、保護者の都合や海外赴任により、日本の制度にもとづく教育を受けられなかった高校生を対象にした、日本の大学入学試験のことです。
原則として、下記のいずれかに該当している必要があります。

【帰国生入試の基本的な受験資格】

  • 日本国籍である
  • 日本または海外で12年以上の学校教育課程を修了している
  • 海外において大学受験資格の証明書を授与されている
 
【関連記事】

帰国生入試の選考方法

帰国生入試では、高校での成績や、国家統一試験の成績、各大学が実施する入試の結果をもとに選考が行われます。

大学によって重視する項目は異なり、主に以下の3つのタイプに分けられます。

入試成績重視型

各大学が実施する入学試験の結果がもっとも重視される選考方法が、入試成績重視型です。 このタイプは、帰国生入試を実施している多くの大学に当てはまります。

高校での成績や国家統一試験の成績を提出する必要がない代わりに、学部・学科別の試験を受ける必要があります。 試験には高校での学習範囲が含まれているため、今までの成績が関係ないとはいっても、試験に向けた勉強は必須です。

現地成績重視型

現地成績重視型は、高校での成績がもっとも重視される選考方法です。

学科試験がなく、書類選考と面接のみで選抜を行うため、すべての科目で一定以上の成績をおさめている必要があります。
また、受験する学部・学科と関連のある科目の成績は特に重視されるので、大学で勉強したい内容に関連した科目を選択していなければなりません。

入試成績・現地成績折衷型

現地成績・入試成績折衷型は、上記の2つのタイプを組み合わせた選考方法です。この方法を実施している大学には、東京大学や京都大学が挙げられます。

まずは、高校での成績や国家統一試験の成績をもとに書類選考を行い、その後大学で実施する入学試験の結果から最終的な選考を行うという流れです。

帰国生入試に必要な出願条件

帰国生入試の出願条件には、下記のようにさまざまなものがあります。

条件①海外の高校に一定期間在籍している

帰国生入試を受けるには、海外の高校に最終学年を含んで2年以上継続して在籍していなければなりません。

ただし大学によっては、海外の中学校から高校にかけての在籍年数が通算 4年以上であれば、最終学年を含まなくても受験が可能です。

条件②海外の高校を卒業している

海外の学校を卒業していることを出願の条件とする大学も存在します。 国立大学ではこの条件が一般的です。

一方、私立大学では、海外の学校に一定期間在籍していれば、卒業していなくても出願できるところもあります。

条件③日本の高校に在籍していない

日本の高校に一定期間在籍していると、受験資格を得られない場合があるため注意が必要です。
「日本の高校の在籍期間が1年未満でなければ出願不可」というように、条件が決められていることが多くあります。

途中から日本の高校へ編入した方は、大学が設けている条件を確認しておきましょう。

条件④高校卒業後の経過年数が2年未満である

帰国生入試の受験資格として、高校を卒業してから経過年数が2年未満であることも挙げられます。

すでに高校を卒業している方は、計画的に出願の準備を進めないと、受験資格を失ってしまうことがあるので注意しましょう。

条件⑤満18歳である(繰り上げ卒業・飛び級の場合を除く)

繰り上げ卒業や飛び級により、16~17歳で大学進学を目指している方は、18歳未満でも帰国生入試を受けられる場合がほとんどです。

ただし、出願の前に審査を行う大学や、「日本の大学入学年の3月31日までに満18歳に達していなければならない」という条件を提示しているところもあります。
また、履修していない科目があると、帰国後の学習に支障が出ることもあり得えます。 現

状で自分が学びたい学部・学科の勉強についていけるのかをよく考えてから、出願しましょう。

条件⑥保護者も海外に在留している(単身残留の方も含む)

単身残留とは、海外の高校を卒業する前に保護者が先に帰国し、本人は残留することを指します。

帰国生入試は、保護者の都合でやむを得ず海外の学校で学んだ方が受けられる試験なので、本人だけが海外にいる状況下では、出願を断られる場合があります。

しかし、保護者の都合でやむを得なかったと判断して、出願を認める大学は少なくありません。 出願する前に、個別に大学へ事情を説明してみるのをおすすめします。

なお、単身留学の場合は、本人の意思で海外の学校を選んだと判断され、出願を断られることが多いでしょう。

大学出願時に必要な書類

ここからは、大学に出願する際に必要な書類を紹介します。
ただし、大学によって必要な書類は異なるため、必ず各大学の入試要項を確認してください。

書類①入学願書

入学願書は、出願したい大学から取り寄せる必要があるので、早めに大学へ依頼しましょう。 また、出願期限に遅れないように注意が必要です。

書類②高校の卒業証明書または卒業見込み証明書

卒業証明書か、卒業見込み証明書も求められます。

ただし、高校によっては「卒業証書」しか発行しないところもあるため、その場合はコピーしたものを提出します。

卒業証書の原本を提出するよう求められたときは、あとで返却してもらえるのでコピーする必要はありません。

書類③高校の成績証明書

多くの大学は、高校3年間分の成績証明書の提出を求めます。

途中で転校した場合は、前に在籍していた高校の成績も含めて提出が必要ですが、最後に在籍した学校の成績証明書だけで認められる大学もあります。 転校した経験のある方は、あらかじめ調べておきましょう。

また、日本の高校に在籍した時期がある場合も、そのときの成績証明書を求められることがあります。

書類④高校の在籍期間証明書

大学出願時には、高校の在籍証明書の提出も必要です。
ただし、在籍期間は成績証明書に記載されている場合が多く、成績証明書のみの提出で認められることが一般的です。

書類⑤海外在留証明書

海外在留証明書は、出願者本人だけではなく、保護者の分も一緒に提出します。

在留証明書として、日本の大使館や領事館などの在外公館が発行する在留証明書か、パスポートのコピーが利用できます。

また、保護者の海外赴任の同伴で在留している場合は、保護者が務める企業が発行する証明書の利用も可能です。 書式は入学試験要項で指定されるので、確認しておきましょう。

書類⑥日本国籍の証明書

帰国生入試は、日本国籍を保持していなければ受験できません。 そのため、戸籍謄本やパスポートのコピーの提出を求める大学もあります。

書類⑦健康診断書

大学によっては、出願時の書類に健康診断書も含まれています。 診断時期を細かく定めているところがあるため、出願に間に合うように準備しておきましょう。

書類⑧SAT・ACT・TOEFLなどの国家統一試験のスコア

英語力を調査するために、SATやTOEFLなどの英語の検定試験のスコアを提出させる大学が増えてきました。 これらの検定試験に向けた勉強も必要になるので、要注意です。

書類⑨推薦状

推薦状が必要な大学に出願する場合は、出身高校の学校長、または教員によって記入されたものが必要です。 学園長の記入しか認めない大学もあるため、よく確認しましょう。

なお、推薦状が日本語か英語以外の言語で記入されている場合は、翻訳した文章も求められることがあります。

なお、アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部への出願条件は非常にシンプルで、必要な書類などの募集要項の詳細は、サンダーバードの公式サイトでご覧いただけます。また、サンダーバードは、日本オフィスにて日本人スタッフが個別に留学サポートの相談を受付ていますので、お気軽にご相談ください!
募集要項の詳細はこちら

帰国生入試の流れ

ここからは、帰国生入試の流れを簡単に紹介します。

【帰国生入試を受ける流れ】

  1. 志望大学と学部・学科をいくつか選定し、前年の入試要項を確認する
  2. 国家統一試験の勉強や小論文・面接対策などを始める
  3. 出願する年の入試要項・願書を取り寄せる
  4. 出願に必要な書類をそろえ始める
  5. 期日までに出願する
  6. 日本へ一時帰国する
  7. 帰国生入試を受ける
  8. 合否を確認する
  9. 合格したら入学手続きを行う
  10. 日本へ帰国する準備を始める

 

上記の「帰国生入試を受ける」のあとに、「海外へ戻る」「卒業式を受ける」などの予定が入ります。 高校のイベントの日時も含めて、予定を組まなければなりません。

帰国生入試の内容

帰国生入試では、以下のような内容の試験を受けます。

【帰国生入試の内容】

  • 書類審査
  • 国語・英語・数学・理科など学部に応じた筆記試験
  • 小論文
  • 面接

 

試験の内容や難易度は、受験する大学・学部・学科などにより異なるため、試験要項の試験科目を確認し、勉強が必要なものを把握しておきましょう。

帰国生入試以外の試験

帰国生が日本で受けられる入学試験には、帰国生入試以外にも、下記のようにさまざまな種類があります。

【帰国生入試以外の入試の種類】

  • 総合型選抜入試(旧AO入試)
  • 公募推薦入試
  • 一般受験

 

上記の試験を受ける際も、ご自身が条件を満たしているのかどうかをよく確認しましょう。 不明点は大学へ直接問い合わせて、必要な書類に不備がないように気をつけることが大切です。

帰国生入試を受けたい場合は出願条件や必要書類を入念に確認しよう

本記事では、帰国生入試の概要や出願条件、必要な書類、試験の流れなどを紹介しました。

帰国生入試は、保護者とともに一定期間海外に在住し、現地の学校へ通っている方が受けられます。

入試選考は、学校での成績や国家統一試験の成績、入学試験の成績などから行われるため、出願の前から勉強を進めておく必要があります。

また大学へ出願する際に必要な書類は、期限に間に合うように余裕をもって準備しましょう。

外国大学の日本校

アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部について

アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部(以下、サンダーバード)は、1946年創立以来、75年以上の歴史を持つ、グローバルビジネスおよびグローバルマネジメントに特化した、高等教育機関です。

キャンパスには世界中から生徒が集まっており、その様子は「小さな国連」と呼ばれるほど。ダイバーシティな環境下で学ぶことにより、グローバルな視点や多文化への理解、協調性、そして将来のグローバルリーダーとしての力を養えます。

サンダーバードの卒業生たち

サンダーバードのアラムナイ(卒業生)は、世界約145ヶ国45,000人以上の卒業生からなり、その結びつきは他のビジネススクールでは見られない、非常に強固なものとして、世界的にも有名です。

アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部広島大学グローバル校の紹介

サンダーバードが提供している「グローバルマネジメント学」「国際貿易学」の学士号を、日本でも学べる新プログラムがスタートしました。

日本国内にいながら、世界トップレベルのマネジメントスクールの授業を受け、アメリカの正規の大学の学士号を取得できます。

プログラム詳細はこちら

アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部広島大学グローバル校は「外国大学の日本校」です

広島大学と75年以上の歴史をもつアリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営大学院が連携した学士号プログラムです。

本プログラムは文部科学省により「外国大学の日本校」として指定を受けております。
「外国大学の日本校」については、文部科学省のホームページをご覧ください。
外国大学等の日本校の指定:文部科学省

プログラムについて

取得できる学士号はアリゾナ州立大学の「グローバルマネジメント学」と「国際貿易学」の2種類です。

「グローバルマネジメント学」では、グローバルな環境で活躍するためのマネジメント力を学べるプログラムとなっています。

「国際貿易学」ではグローバルにビジネスを行うための政治的・文化的・経済的側面への理解を深めながら、国際貿易分野で活躍するために必要なスキルを学びます。

本プログラムでは、1・2年次を広島大学のキャンパスで、3・4年次をアリゾナ州で学びます。 広島を含め、4年間全ての授業が英語で行われますので、国内にいながらでもグローバルな環境で世界有数の大学によるグローバルマネジメントを学ぶことが可能です。

また、「国際貿易学」の学位取得後はアメリカでのOPT(Optional Practical Training)を取得し、卒業後アメリカで3年間の就労資格を得られます。

サンダーバードの国際貿易学はQS 国際貿易学ランキングにて「世界第1位」を獲得

サンダーバードの国際貿易学は、QSワールド大学ランキングの国際貿易学専攻で世界第1位を獲得しました。
QSワールド大学ランキングでは、修士課程(大学院)を専攻別に分け、以下の各項目について評価・選定したランキングを毎年発表しています。

  • プログラムの内容
  • 革新的な教育方法
  • 学生が就職できるように大学がどのように準備しているか

サンダーバードは上記の各項目で、最高評価を獲得しています。

詳しくはこちら

卒業後の進路について

サンダーバードの卒業生は、国際機関、グローバル企業をはじめ、各国政府やNPO団体など多種多様な分野において、世界を舞台に活躍。
在学中の進路支援にも力を入れており、世界中の卒業生ネットワークを活用した進路支援を行っています。

また、本学の修士課程であるMGM(Master of Global Management)プログラムへ進学する学生も多くいます。 ※MGMとは、通常のMBAではなく、全てのクラスがグローバルな視点で構成され、 “第4次産業革命の時代に必要とされ、本当の意味でグローバルに活躍できる真のリーダーを育てる”ことを目的とした修士号です。

将来の選択肢を広げるためにも、グローバルな視点で構成されたプログラムを日米両キャンパスで学べるユニークな形の留学に挑戦してみるのはいかがでしょうか。

サンダーバードでは、日本オフィスにて日本人スタッフが個別に留学サポートの相談を受付ています。将来グローバルに活躍したいなど、海外にご興味のある学生の方は、ぜひご相談ください!

【外国大学の日本校認定】アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営学部 広島大学グローバル校の詳細はこちら

コラム監修者

監修者の写真

夫馬 賢治Kenji Fuma

株式会社ニューラル

代表取締役CEO

<略歴>

信州大学グリーン社会協創機構特任教授。アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営大学院MBA。ハーバード大学大学院サステナビリティ専攻修士。東京大学教養学部国際関係論専攻卒。東証プライム上場企業、機関投資家、スタートアップ企業、ベンチャーキャピタルの社外取締役やアドバイザリーを多数務める。環境省、農林水産省、厚生労働省のESG分野の委員会委員を複数兼任。Jリーグ特任理事、ウォーターエイドジャパン理事、MASHSING UP理事。留学経験を活かしたグローバル視点での戦略立案を得意とする。国内外のテレビ、ラジオ、新聞、雑誌で解説を担当。

<主な著書>

ネイチャー資本主義』(PHP新書)

超入門カーボンニュートラル』(講談社+α新書)

データでわかる 2030年 地球のすがた』(日経プレミアシリーズ)

ESG思考』(講談社+α新書)

関連記事

OPTとは?留学後もアメリカに滞在できるOPTについて解説

MBAの国際認証とは?3つの国際登録機関を紹介

STEM教育とは?アメリカと日本のSTEM教育事情を解説

日本の大学と海外(アメリカ)の大学の違い12選を紹介

お役立ち情報一覧へ戻る